金利が高い方の「買い」にスワップ金利が支払われる
FX取引では、必ず通貨ペアの一方の通貨を売り、もう一方の通貨を買います。でも、私たちはFX会社に証拠金を預けますが、実際に取引をする金額をすべて支払って取引しているわけではありません。
したがって、ドル/円で「10万ドル売り」という場合は、10万ドルを借りてきて売ります。そして、それに相当する円を買って貸すことになります。お金の貸し借りは、無料というわけにはいきません。銀行からお金を借りるときと一緒で、金利が発生するのです。この貸し借りの金利の差が「スワップ金利」(またはスワップポイント)と呼ばれます。
ドル/円の場合、どちらの通貨も金利が高いとはいえないのですが、それでもドル>円なので、ドルの「買い」にスワップ金利が支払われます。つまり、ドルをロングポジションで保有しているとスワップ金利がもらえて、逆にドルをショートポジションで保有している場合には、スワップ金利を支払うことになります。
スワップ金利は「金利」ではない!?
ポジションを保有していれば、金利が支払われるので「預金」のような感覚でとらえている人もいるかもしれませんね。しかし、FXは外貨預金ではないので、正確には「金利」ではないのです。
ポジションを持っている場合に、一日の終わりに行う、翌日への繰越処理の際の為替スワップ取引による直物と先渡との価格差で、2カ国の通貨の金利差などによって生じるのがスワップ金利なのです。
ちょっとむずかしいかもしれませんが、要は預金の金利とは性質が違うということです。ですからスワップ金利というより、「スワップポイント」と呼ぶほうがふさわしいと思います。しかし、スワップポイントをうまく利用すると、FXを外貨預金のように活用することができます。
スワップ目的なら有利なFX会社を選ぼう
スワップポイントは、支払日が異なることはありますが、基本的にはポジションを保有している間は、毎日支払われることになります。そこで、スワップポイントねらいでFXを行うのならば、自分にとって有利なFX会社を選ぶことが重要です。

上の表は、2010年5月現在の代表的なFX会社のスワップポイントを比較したものです。スワップポイントは、高ければ高いほど自分の利益になりますから、表のA社のように、各通貨ペアのスワップポイントが高いほうが有利になります。
ドル/円では、A社とG社では6倍も違いますし、D社においては、ドル/円と豪ドル/円では、40倍もスワップポイントが違います。つまり、どの通貨ペアでスワップ目的の取引をするかによって、FX会社を選ぶ必要があります。
ただし、スワップポイントは、日々変動するので、有利なFX会社を選んで利用しているつもりでも、状況が変わってしまうことがあります。ですから、ときどき他社と比較して、より有利な会社への変更を検討するのもよいでしょう。
ドル/円でスワップはナンセンス
FXをはじめるときは、まずドル/円の取引からスタートするのがおすすめです。なぜなら、日本人の多くは、円以外の通貨ではドルがいちばん親しみをもてるからです。ドルの通貨国であるアメリカの情報も日本では入手しやすく、値動きを判断する上で比較的イメージがつきやすいというメリットもあります。
しかし、ドル/円でスワップ目的の取引を行うのは、今どきナンセンスではないでしょうか。(次ページへ続く)