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iPad発売好調、電子書籍の普及で古本業界に影響も

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2010/06/12 18:00

アップルが満を持して発売したiPad。注目を集めるコンテンツの1つが電子書籍で、古本業界にも大きな影響を与える可能性が出てきた。

 日本でも今年5月から発売が開始され、売れ行きが好調なiPad。新たなモバイルツールとして、また2台目、3台目のパソコンとして、ユーザーによって用途はさまざまだ。

 iPadのコンテンツで、注目を集めているのが電子書籍。すでに小説や漫画などが電子書籍として提供されており、今後も続々と販売される見通しだ。通常の書籍の形で購入するより、安めの価格ということもあり、ユーザーにとってもメリットは大きい。

 出版業界の市場規模は、1990年代半ばの約2.6兆円を頂点として、それ以降は減る一方となっている。現在は年間で約2兆円。書籍はかろうじて横ばいで、文庫本や漫画の単行本はそこそこ売れているものの、ハードカバー本は厳しい状況にあり、さらに雑誌の落ち込みは大きい。各出版社は、てこ入れを図っているが、村上春樹の『1Q84』など、ごく一部のベストセラーを除き、回復には程遠い。紙の本から電子書籍への乗換えが進む中、今後は、電子書籍の市場で、どれだけ多くの出版物を販売できるかが課題となっている。

 新刊市場が落ち込む一方で、これまで古本業界は不況を背景に拡大を続けてきた。ここで大きな牽引役となっているのが、ブックオフをはじめとした古本チェーン店だ。かつての古本屋では、絶版本や稀覯(きこう)本が本棚を占め、目利きの店主が睨みを利かせていた。しかし古本チェーンでは、鮮度(発売日からの日数)と外見により、一律の買い取り価格と売値を設定。売れ残ったものは、すっぱり値引きして回転率を上げてきた。これにより「本を売る」「古本を買う」ことに抵抗が薄れた人が増えたことで、全国的に市場が拡大した。

 しかし順風満帆の古本業界にも、ついに黒船が到来した。iPadだ。これまでにも携帯電話などでも、電子書籍を読むツールはあったが、規格の不統一や価格もあり、広く普及したものはなかった。しかしiPadは違う。世界的に一気に広がる勢いがあり、これまでと比較にならないものがある。日本でも、一旦普及してしまえば、コンテンツも雪だるま式に増えていくのは、目に見えている。

 電子書籍で購入するのはあくまでも電子データ。何年経っても古くなることはない。そして、何百冊、何千冊あってもかさばらない。価格も紙の書籍に比べて安い。もし、電子書籍の分野で、古本をやりとりする市場が生まれれば、これもまた大きな市場の変化となるだろう。

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