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ギリシャ4段階格下げで想定される今後の影響

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2010/06/15 16:00

米系格付会社がギリシャ国債の格付けを4段階引き下げた。欧州の金融不安が広がる中、為替相場ではユーロの下落が続いている。(バックナンバーはこちら)

ギリシャ国債の格付け「4段階引き下げ」

 14日、米系格付会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスがギリシャ国債の格付けを4段階引き下げました。これにより、ギリシャ国債の格付けは「A3」から「Ba1」となり、ギリシャ国債はジャンク債へと転落しました。

長期投資家の離脱

 ジャンク債へと転落したことで、6月30日付けでギリシャ国債はバークレイズ・キャピタルグローバル債券インデックスや、シティグループ世界国債インデックスといった主要なインデックスより除外されます。

 世界にはいわゆる「パッシブ運用」と呼ばれるインデックスに連動する運用を行っている投資家がたくさんいます。日本の多くの年金基金やGPIF、投信などはその一例です。あまりアロケーションを動かさないこれら長期投資家が保有するギリシャ国債すべてを月末までに売却することになります。

 パッシブ運用投資家だけではありません。金融機関にとって、規制によりジャンク債を保有する負担は非常に大きいため、今までギリシャ国債を保有していた欧州系金融機関もギリシャ国債を手放す可能性もあります。

影響はECBの対応次第

 元々ギリシャ危機は収束しておらず、買い手が不在で大きく売られていたギリシャ国債を、ECBのみが何とか買い支えている状態です。この状態で数千億円もの追加のギリシャ国債の売りが出てくると市場の混乱は必至です。

 今回の救いは、ギリシャ国債を売りたい人と量がだいたい分かることです。売りたい人が売り切ってしまえば追加はもう出てきません。

 買い手と期待されるのはECBのみでしょう。ECBはドイツの反対の中で、5月以降ギリシャ国債を少しずつ購入してきましたが、今回も最終的には大規模なギリシャ国債購入を決断せざるを得ないものと想定されます。月末に向けて、ECBの内部の混乱が露呈し、決断が遅れるほど市場の混乱は増していくものと想定されます。ECBの早期の決断を期待しています。

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著者プロフィール

  • 課長 今調査役(カチョウ イマチョウサヤク)

    大学院で物理学を志すも途中、島耕作にあこがれ金融業界へ。本職は債券市場と計量分析のアナリスト(自称調査役)であるが、お金の流れを追う過程でマクロ経済、株式、商品、アセットアロケーションなどを学び、株の銘柄選択以外すべてに通じるマルチアセットアナリストとして、多方面で活躍(予定)。日本人として日本人の資産をいかに有効利用するかを生涯の目標とする。
    好きな言葉 「潮が引いたとき、誰が裸で泳いでいたかがわかる」

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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