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「牛丼戦争」の勝敗を左右する牛肉価格
米国産の下落で吉野家の巻き返しあるか

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2010/06/19 14:30

 ここへきて米国産牛肉の価格が下落し、豪州産との価格差が小さくなっている。「仁義なき戦い」といわれる牛丼価格競争を生き残る本当のポイントとは。

 牛丼価格競争のなか、「一人負け」「じり貧」との評価もある吉野家だが、同社が用いる米国産牛肉の価格が、このところ下落している。これに対し、ライバルのすき家らが用いる豪州産牛肉の方は、豪ドルの上昇基調が輸入価格を下支えしているため、比較すると、今までのように一概に豪州産が割安とは言えなくなってきた。

 つまり現在のところ、牛丼各社ともに、その競争力の源としている「牛肉仕入れ価格」に、大きな違いがなくなっているのだ。「味にこだわる」と言い続ける吉野家が、価格でなく、味で巻き返すお膳立てが整ったと見ていいのだろうか。

 米国産牛肉の価格下落は、コスト減を狙う吉野家には、もちろん追い風だ。しかし今回の下落は、同社自身の牛肉需給関係からもたらされた結果と見る向きが多い。

 目下のところ、米国産牛肉バイヤーとして最大手の一つである同社では、将来の牛肉の消費をにらみながら、適切な在庫量をキープしているが、実は今回の値下がりが始まるまでには、すでに今期必要な牛肉の約半分量を確保済みだったという。

 消費の減退傾向もあり、この最大手バイヤーがぱったり買い控えたため、牛肉はするすると現在の価格付近まで下落したというわけだ。自身の購買動向が、市場に大きなインパクトを持ちすぎるというジレンマに吉野家は陥っている。

 ではそれを解消するため、米国産牛肉の輸入規模が広がる可能性はないのか。それには一にも二にも、BSE問題に伴う牛肉輸入制限緩和について話し合う日米協議の行方が、カギを握る。

 現在の出荷条件「月齢20カ月以下」は、ほぼ日本向け牛肉のみに課されたもので、米国の生産者、食肉業者にとっては、余計な手間とコストがかかるばかり。安全性を確かめつつ、条件を「月齢30カ月未満」などに緩和すれば、従来の食肉ラインにのせることができ、さらに米国産牛肉の価格は下がるとみられる。

 しかし前回の一部緩和から3年以上経った現在、日本の政局自体の不安定さ、口蹄疫(こうていえき)問題の拡大もあり、今後さらに踏み込んだ緩和があるかどうかは不透明で、企業は「長い目で期待しないで待つ状態」(某大手外食チェーン)だという。

 日本人向きといわれる米国産牛肉が、いつまでも味で評価されないのは不幸だが、「今期は牛肉価格下落の恩恵はない」という吉野家の苦しい戦いもまだまだ続きそうだ。

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