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ワインバーから旅行プラン、新築マンションまで
安売り戦国時代の切り札「ワケあり商品」浸透

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2010/06/27 10:30

 脚の折れたタラバガニや切れ端を集めたサーモンなど、近頃「ワケあり食品」が人気を集めている。「ワケあり食品」とは、賞味期限が近い、あるいはパッケージに小さな傷が付いているなど、味や品質に問題はないが通常価格では販売できない商品のことだ。

 これらは「楽天市場」などのインターネットショップを中心に売れ行きを伸ばしていたが、最近ではイトーヨーカ堂やイオンなどの大手スーパーの他、百貨店の松坂屋上野店までもが「ワケあり食品」のセールに乗り出したことで話題になっている。

 消費者の間で「ワケあり」が浸透するにつれ、そのジャンルは食品から家電、衣料品、宝飾品へと広がりを見せる中、ついに飲食業界から「ワケあり」が登場した。渋谷など都内に複数の店舗を抱えるワインバー「ワヰン酒場」では、流通過程でラベルに傷が付いたり、シミが生じたりしたアウトレットワインを独自ルートで仕入れ、他の飲食店のほぼ半額で提供している。さらに系列店の「ビヰルキッチン」(中目黒)では、過剰在庫品や賞味期限まで3ヵ月を切った世界のアウトレットビールが従来の半額程度で味わえる。

 旅行業界でも懐にやさしい宿泊プランの販売が相次ぐ。宿泊予約サイト「ぐるなびトラベル」では、添乗員宿泊用で眺望がよくない、チェックインやチェックアウトの時間に制限があるといった「ワケあり部屋」の宿泊プランを破格で提供。また、旅行業大手の日本旅行は、今月から始めた海外版「ワケあり宿泊プラン」の販売が好調だという。

 一方、販売不振が続く不動産業界では、冷え込んだ消費者の心をつかむべく、「アウトレットマンション」の販売に乗り出す動きも目立ってきた。そのカラクリはこうだ。積年の供給過剰と世界的な不況によって、在庫物件を抱えるディベロッパーが急増。銀行への返済などで資金繰りに窮したディベロッパーは、売れ残りの新築マンションやモデルルームに使用した物件を、定価の半額程度で他業者に売却する。買い取った業者は、それらの物件に「アウトレットマンション」と名づけてお得感を演出し、元値の7割程度で再販するというわけだ。

 ディベロッパーが値下げして売るとなれば、先に購入した顧客からクレームが入りかねない。そこで、他業者に格安で投げ売りする代わりに、ディベロッパーの多くは代金を現金一括で受け取るのだ。

 在庫を少しでも早く現金化したい売り手と、少々難ありでも格安で買いたい消費者をつなぐ「ワケあり商品 」。今後もさまざまなジャンルから新たな商品が登場するかもしれない。ただし、なかには「安かろう悪かろう」が混在する可能性もあるため、くれぐれも破格の理由を十分に理解したうえで購入していただきたい。

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