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未来永劫に続く負のスパイラル「富裕者天国」と「貧困者地獄」

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生活保護を受ける世帯が急速に増加している日本。そこにつけ込んだのが、貧困食いビジネス業者である。(バックナンバーはこちら)

生活保護者から何重にもピンハネする、まさに「蟻地獄」

 ますます貧困食いビジネスが横行している。その1つは、国や地方公共団体が生活保護者を対象に家賃援助や引っ越し費用のサポートなどを狙った「最後のセーフティネット」食いビジネスだ。

 2009年度に全国で生活保護を受けた世帯は、約127万(月平均)件にも上り、対前年度比9.5%と大幅増になっている。17年連続で増加傾向にあり、09年度は過去最多を更新している。この3月の保護人数は、186万6000人に上り、直近の1年間は毎月1万7000人程度のペースで増え続けている。

 まさに生活保護者先進国といっていいだろう。そこにつけ込んだのが、貧困食いビジネス業者である。彼らは生活保護者のサポーターとして、NPO法人のボランティア団体を装い近づいてくる。大阪市などでは、生活保護者への賃貸住宅の敷金補助として、転居1回につき50万円を目途として支給しているが、悪質なNPO法人は、路上生活者に声をかけて、生活保護の申請に付き添う。

 申請が受理されると、敷金補助として支給された金額を丸ごと受け取り、日が当たらない地下の劣悪な住環境のゼロゼロ物件(敷金・礼金なし)に紹介する。敷金の補助金がすべて懐に入るわけだ。

 また、あるNPO法人では唐突に引っ越しの請負業務を始めたが、これも引っ越しの補助金を掠め取るための仕組みであった。囲い込んだ生活保護者を1年で5回以上も引っ越しさせて、200万円以上も吸い上げていた。

 NPO法人の設立・解散は比較的簡単にできるので、貧困食いビジネスを立ち上げて、手っ取り早く稼いで、足がつきそうになると解散する。したがって警察や行政もなかなか実態がつかめないというジレンマがある。

 NPO法人の認証には、理事と社員で合計10名以上が必要なので、囲い込んだ生活保護者を社員に仕立てることもある。そうして、社員から「会費」として数万円徴集して、生活保護者から何重にもピンハネする仕組みを整えている。まさに、「貧困食い蟻地獄ビジネス」ともいえるだろう。

続々登場する報酬1億円超のサラリーマン経営者

 さて、巷に貧困食いビジネスが横行するのを尻目に、富裕層がますます増長している。それは、1億円以上の企業経営者の公表から始まった。

これまでサラリーマン経営者として、プロパーの社員と変わらぬ賃金体系を守り、賃金格差を最低限に抑えて発展してきた日本型経営が崩壊しようとしている。

「8・9億円!日産ゴーン社長、驚きの報酬額」「ソニー会長報酬4億円、住金やHOYAも1億円超経営者」などという見出しが、6月中旬の新聞やテレビを賑わせた。

 2010年3月期から、有価証券報告書に年1億円以上の報酬を受け取る役員の情報を記載するように義務付けられた結果、大半の企業は株主総会後にしか報告書を提出しないが、総会では株主から報酬額を巡る質問が相次ぎ、明らかにされた。

 グローバル企業であるソニーや日産などは外国人経営者の比率が高いので、その分多額になっているが、日本企業でも住友金属工業や光学機器メーカーのHOYAなどで、1億円経営者が誕生している。

 中でも日産は、ゴーン社長が8億9000万円、志賀俊之最高執行責任者(COO)が1億3000万円、コリン・ドッジ副社長が1億7000万円で、1億円超は6人。社外取締役を除く10人に16億9000万円が支払われており、半分をゴーン社長が占めている。

 日産の役員報酬はトヨタ自動車やホンダなど同業他社に比べて水準が高いとされているが、ゴーン社長は「グローバルに人材をひきつけるには見合ったものを提供しなくてはならない。日産の報酬水準でもグローバルでは平均以下だ」として理解を求めている。

 ゴーン社長は日産の親会社のルノーでも会長を務めており、1億4000万円の報酬も受けている。

役員の高額報酬に株主から不満の声

 では、ライバル企業のトヨタ自動車はどうなっているのか。(次ページへ続く)


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