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かつて30兆円市場を誇ったパチンコ業界、淘汰の時代へ

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2010/07/11 16:30

ピーク時には30兆円だったパチンコ市場も衰退の一途、中小ホールは淘汰され、一部の大型店のみが生き残る時代になっている。

 産業界の規模を表すものに「1兆円産業」という言葉があるが、パチンコ業界もピークだった1995年には市場規模が、30兆円と報じられた。しかしそんなパチンコ業界も、最近ではきびしい状況に直面している。

 6月25日には、現代のパチンコ台の原形とされる「正村ゲージ」を開発したパチンコ店運営会社「正村商会」が、名古屋地裁に破産の申し立てを行うことが明らかになった。同社は、大手パチンコチェーンの出店攻勢によって経営が悪化したとみられている。今やパチンコ業界でも再編が行われる時代となり、大手のみが生き残る状況になりつつある。

 帝国データバンクは2008年1月のレポートで、すでに趣味の多様化によるライトユーザーの減少のほか、貸し付けを年収の3分の1以下と制限する総量規制を盛り込んだ改正貸金業法により、借金をしてまでパチンコ店に通うヘビーユーザーは減少すると指摘していた。

 改正貸金業法は今年6月18日に完全施行され、この指摘が現実化する。ある大手パチンコホール運営会社は今年1月、改正貸金業法が与える影響を試算し、6月の完全施行後、売上高が10%前後減少するという結果が出たという。

 近年のパチンコ業界の一つの大きな転換点となったのは2007年。この年に「パチスロ5号機問題」と呼ばれる規制が行われた。大当たりの連チャンが人気だった4号機パチスロ機が撤去されたことで、射幸性の高いパチスロを好むユーザーの足がホールから遠のいた。

 これによりパチンコホールは、機種入替のために多額の費用負担を強いられたが、金融機関・リース会社の融資意欲も一気に冷え込んだ。見込んでいた新規融資を受けられないといった事態に陥る業者が増え、パチンコ業界の倒産件数が2007年には96件、2008年には92件と高水準で続いた。

 ホール側はファンを呼び戻すため、設置する遊技機をパチスロからパチンコに変更し、また「1円ぱちんこ」など、少ない資金で長く遊べることをうたう低貸玉営業に力を入れる店舗も多く見られるようになった。

 各遊技機メーカーは生き残りをかけて、「北斗の拳」「新世紀エヴァンゲリオン」といった漫画やアニメ、特撮、ハリウッド映画といったキャラクターものから、韓国ドラマ冬のソナタ、歌手の倖田來未などの芸能人を起用したタイアップを多数展開している。芸能界ではタレントの神田うの、伊東美咲などがパチンコチェーンやメーカーの社長と結婚するなど、華やかな側面も話題となっている。

 その一方で毎年のように、パチンコホールの駐車場の車内に放置された子どもが、熱中症で死亡するといった事故が後を絶たない。パチンコ・パチスロの攻略法や、打ち子、モニターといった名目の詐欺も多発している。パチンコ依存症の問題もある。全日本遊技事業協同組合連合会は、こういった問題に対し、非営利の相談機関のリカバリーサポート・ネットワークの設立を支援するなど対処を行っているが問題は根深い。パチンコが健全な庶民の娯楽となる日は来るのだろうか。

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