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不況でも売上を伸ばしている「回転寿司」
値下げしてなぜ儲かるのか

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2010/07/17 14:30

回転寿司チェーン大手3社の四半期決算が発表された。なぜ「回転寿司」は、値下げをしても儲かるのか。各社の戦略と、安さの秘密を調査した。

 外食産業の市場が縮小し続けるなか、回転寿司は例外的に好調だ。利用者の満足度でも、サービス産業生産性協議会が3月16日に発表した、日本の主要サービス業の「日本版顧客満足度指数 (JCSI)」によると、飲食業界のなかで最も満足度が高かったのが、「スシロー」だった。2位が「くら寿司」、3位がファミリーレストランの「サイゼリヤ」、そして「かっぱ寿司」と「餃子の王将」が4位に並んだ。6位に「びっくりドンキー」、7位「すき家」、8位「モスバーガー」が続いた。

 こうした顔ぶれを見ると、回転寿司チェーンの顧客満足度が際立って高いのが分かる。その理由は一皿105円(税込)という手軽さだけでなく、それぞれのお店が特徴を生かした様々な工夫を凝らしていることにある。

 例えば、飲食業界トップの「スシロー」は、寿司を客に出す直前に調理するなど、代表者が寿司職人であることをひとつの売りにして、ネタの鮮度にトコトンこだわっている。その甲斐もあり、平成22年9月期の第2四半期売上高は、前年同期比で約10%上回った。

 また、2位の無添加が売りの「くら寿司」は、直火であぶってから提供する「あぶり寿司」の提供店舗を増やすほか、揚げたてのてんぷらの価格を「100円天ぷら」にリニューアルするなど、低価格メニューの拡充を図っている。6月11日に発表された平成22年10月期の第2四半期売上高をみると、こちらも前年同期比で約10%上回っており、顧客からの支持が拡大していることがわかる。

 一方、第4位の「かっぱ寿司」は、平成23年2月期の第1四半期売上高が、前年同期比でわずかながら下回っている。連結業績予想では、前年度を7.3%上回る計画を立てているものの、伸び悩んでいると言っていいだろう。そこで、来客数の増加を狙って、好評だった「ランチ90(税込94円)」を「平日終日90円」にあらため、巻き返しを狙っている。

 ただ、回転寿司業界は、合理化や機械の導入などで、すでにコストはかなり抑えられている。それでもさらに価格を下げて、利益を確保できるのだろうか。調べてみると、最近の経済不況が回転寿司業界には追い風となっているようだ。

 水産庁が公表した「まぐろ類の価格等の推移」によると、代表的なメニューである「マグロ」の平均価格は、欧米や中国などで消費が増えたため、仕入れ値がかなり高騰し、平成20年9月には1600円/キログラムまで上昇した。しかし、リーマンショック以降、欧米を中心に消費が減少したとみられ、平成22年5月には1237円/キログラムまで下落している。こうした背景から、寿司ネタを以前よりかなり安く仕入れられる状況となっている。

 さらに最近の円高も追い風になっている。特にユーロ安に苦しむ欧州諸国にかつてのような勢いがなく、円高で購買力の増した日本の業者が、欧州から積極的に「いいネタ」を買い付けているとみられる。世界的な不況を背景として、大手を中心とした回転寿司業界の勢いは当分続きそうだ。

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