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野菜高騰で人気高まる「規格外野菜」
ブランド化で販路拡大、野菜スイーツも注目

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2010/08/21 15:30

 猛暑の影響で野菜価格の高騰が続く中、曲がったキュウリや傷がついたトマトなど、一般の野菜よりも割安な「規格外野菜」が注目を集めている。今年は春先の天候不順や夏場の猛暑により、傷ができたり、重量や形状が規格外となる野菜が例年以上に発生した。規格に合わない農作物は加工用や飼料用に回される他、廃棄される場合も多く、農作物によっては生産量の約4割が規格外になるものもあるという。

 こうしたもったいない規格外品を減らそうと、食味には問題のない野菜を販売して売上を伸ばす道の駅や、通年で販売する大手スーパーが登場し、「規格外野菜」の知名度が全国的に高まりつつある。

 栃木県内の道の駅「どまんなか たぬま」(佐野市)では、昨年度の年間総売上高が約13億4000万円にのぼり、3年連続の県内1位になった。栃木県土整備部によると、売上好調の理由は「農産物の販売に力を入れていること」としており、新鮮な規格外野菜を100円台から購入できるとあって、県内外からの来店者が絶えないという。

 札幌市の「コープさっぽろ」では、規格外品に「ぶこつ野菜」というブランド名を付け、7月31日より道内90店で通年販売を開始した。価格は日によって変動するが、大根1本50円、レタス1玉50円、ジャガイモ1袋100円など、いずれも通常品の半額程度。天候不順などで作柄が悪い時に、一時的に規格外品が店頭に並ぶケースはあるが、通年販売となると全国の流通業でも珍しい。「『丹精こめて作った野菜をムダにしたくない』という生産者と、『品質に問題なければ賢く利用したい』という消費者をつなぐ商品」を目指し、年間1億円規模の売上を想定しているという。

 一方、規格外品をブランド化する動きもある。山梨県のJA梨北は、規格外のため直売所で販売されている農作物を、「Marche RIHOKU(マルシェ梨北)」に認定し、安心・安全な食品としての売上アップを狙う。規格外品が出回ると、農作物全体の価格低下を招きやすいことから、普及には消極的な農協も多いが、JA梨北では規格外品の販路を確立することで、産地や生産者を支援したい考えだ。


 健康ブームと相まって、規格外品を使った野菜スイーツも広がりを見せている。栃木県足利市の洋菓子店「ル・クール」では、地元特産の「あしかが美人」トマトを使用した酸味の効いたスイーツ「ル・クール・ルージュ」が好評だ。同店のオーナーパティシェ・武井一仁氏の「故郷の足利市に恩返しをしたい」という思いから、規格外などの地元産トマトを活用し、地産地消に貢献している。その他、「ポタジエ」(東京都)、「808(やおや)スイーツ」(兵庫県西宮市)など、菓子店が規格外品を使って野菜スイーツを開発する例は全国的に増えている。

 規格品との価格の兼ね合いや加工や輸送にかかるコストなど、「規格外野菜」をめぐる課題は少なくないが、利活用の動きは流通を見直すいいきっかけになりそうだ。

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