MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

「円高で株安」はステレオタイプの思考
マスコミは時代が変わったことに気付くべきだ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2010/08/24 10:00

円高になると必ずマスコミは企業収益が圧迫されると報じるが、こうしたステレオタイプの思考からそろそろ脱却する時ではないのだろうか。

円高は悪か、いや違うだろう

 かねてより不思議に思っているのは、円高になると必ず株式市場が下がることである。そして株が下がるとマスコミなどは円高で企業収益が圧迫されるためと、まるで何とかのひとつ覚えみたいに報じるが、こうしたステレオタイプの思考から、もうそろそろ脱却してもいい時ではないのだろうか。

 日本のように資源の乏しい国にとって、円高のデメリットばかりを気にして株が大きく下げるのは、あまりにも悲観的すぎると考えるべき時だろう。

 自国の通貨が高いからこそ、また高くなると考えているからこそ、日本のカネは日本に留まっているのであり、だから膨大な財政赤字のある国にもかかわらず、日本円に対する信頼が高まっていると見る視点も必要だろう。

 昔の規格型工業製品を国内で大量に生産し、大量に輸出し、大量に外貨を稼ぐという成長パターンはもう成り立たない。にもかかわらず市場が判で押したように円高で下げるのは、世界が変わっているのに日本が変われていないという市場からの警告と受け止めるべきだ。

 日本の企業はけっこう賢くて、もう40年にもなる円高傾向のなかで、企業体質を大いに改善していることを忘れないことだ。

 テレビなどは馬鹿のひとつ覚えみたいに、一円の円高でどの企業は何百億円の損とかという報道を繰り返しているが、いまのグローバル化された世界で商売している企業が、何も手当てしないはずはないではないか(JALは例外だが)。

 輸出の半分を円建てにするとか、海外で稼いだカネは海外で運用したり投資したりと、ありとあらゆる手段を講じているはずである。むしろ長く続いた円高トレンドで、日本の企業の収益基盤はより強化されてきたと判断すべき時ではないのだろうか。

政策不在のツケ

 また円そのものも変化しているのである。(次ページへ続く)


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • 三原 淳雄(ミハラ アツオ)

    激動する内外経済の今後を展望し、対応を説く経済評論家。1937年満州国チチハル(現・中国)生まれ。九州大学卒業後、日興證券に入社。企業派遣によるノースウェスタン大学経営大学院留学、スイス銀行チューリッヒ支店勤務などを経て、ロスアンジェルス支店長。1980年から評論活動に入る。近著に『金持ちいじめは国を滅ぼす』(講談社)など。TV東京「News モーニングサテライト」 隔週月曜日(AM5:45~6:45放送)のゲストとして出演中。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

All contents copyright © 2007-2019 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5