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奨学金の滞納者が増加
今後は「貸与型」から「給付型」にシフトか

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2010/08/29 13:00

 奨学金の滞納問題に対して、独立行政法人「日本学生支援機構」(旧日本育英会)が、奨学金の返還を求めて起こす訴訟が増加している。同機構が今年4月に公表した内容によると、平成20年度末現在の状況として、期日が未到来を含む返還を要する債権を持つ貸与者が253万8000人、1日以上の延滞債権を持つのは31万人、6カ月以上の延滞債権では17万2000人となっている。

 期日が到来し、返還を要する人は242万3000人で、返還している人は211万3000人だが、未返還者は31万人に上っている。不況の影響もあり、今後も返還できない人は増えていくとみられている。

 延滞理由としては、本人の低所得が39.6%、親の経済困難が36.4%、本人の借入金の返済21.9%など経済的理由を挙げている人が多い。高校では、親の経済困難をあげる者が最も多い。就労している延滞者の職業は、正社員の割合が30%程度しかなく、不安定な就業状況が要因とみられ、80%超は年収300万円未満と回答している。

 同機構は、返還の意思があるにもかかわらず、経済的理由で返還が困難な人に対して、割賦金額を減額し返済期限を延長する「減額返還制度」を平成22年中に創設する予定だという。要件に該当しながら、申請していない人も見受けられるため、「返還期限の猶予制度」を活用してほしいとしている。

 一方、大学受験生を対象に経済的理由で進学をあきらめざるを得ない生徒を支援する「予約採用給付奨学金制度」を新設する大学が相次いでいる。これは合格決定前に奨学金の内定を出す取り組みで、返済は不要。

 また政府の動きでは、川端達夫文部科学相は20日の記者会見で、「給付型奨学金制度」の創設を、来年度予算の概算要求に盛り込む方針を明らかにした。この制度は、経済的な理由で就学困難な高校生を対象に、授業料以外の入学金や教科書代などを支援するもの。高校授業料無償化の際に問題となった朝鮮学校は、対象とする方向で検討が進められているという。

 奨学金の返済が滞れば、それに伴い貸与を受けられる学生の数も少なくなる。悪質な滞納者に対する措置は必要だとはいえ、不況などで学びたくても学べない状況にいる学生には支援が必要だろう。

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