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赤字なのになぜ外国人経営者は破格の高額報酬を受け取れるのか

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赤字でも無配でも株価低迷でもお構いなしに、高額な業績連動報酬を受け取る外国人経営者。これでは従業員と株主はやっていられない…(バックナンバーはこちら)

自分を「目一杯」高く売りつける外国人経営者たち

 純損益408億円の赤字にもかかわらず、その企業の役員報酬が8億1500万円、そのうち賞与が1億円。

 この企業こそ、日本を代表するグローバルカンパニーのソニーであり、その超高給報酬を受け取るのが、社長兼会長のハワード・ストリンガー氏である。

 前回の記事で紹介した日産のゴーン社長の、業績とは不釣り合いの高給待遇には大きな反響があったが、どうしてももうひとり紹介しておきたい人物がいた。それがこの、H・ストリンガー氏である。

 英国生まれの65歳。少年時代は不遇で奨学金をもらって、パブリックスクールに通っている。オックスフォード大学卒業後、米国に移住して、米国の三大ネットワークのひとつであるCBSに入社。テレビ制作者、そしてジャーナリストとして頭角を現し、ソニーの出井元社長に引き抜かれることになる。

 出井社長が直接渡米して勧誘したときに、ストリンガー氏から相場以上の報酬を要求されたという。出井社長は即答できず、日本に持ち帰って諮らなければならなかったというエピソードは有名である。

 最高責任者である出井社長が即答できなかった金額というのは明らかにされていないが、日本の企業経営者からすると、常識を超えた金額だったのだろう。さすがにジャーナリストだけあって、自分をより高く売り込む術に長けているということか。ソニー側はその時に提示された金額で、移籍契約を受け入れざるを得なかったといわれている。

 そうして、1998年にソニー米国法人の会長兼CEOに就任し、翌年の99年にはソニー本社の取締役となり、早くも2005年には、名実ともにソニーの最高経営責任者として君臨することになる。

大損失でも業績連動報酬を獲得できる、とんでもない制度

 鳴り物入りでソニーに迎え入れられたストリンガー氏であったが、その業績に対する貢献度はパッとしない。それどころか、ストリンガー氏の経営方針が浸透した08年度は、何と14年ぶりの赤字に転落して、2300億円の営業赤字を計上している。

 その要因は、主力部門のエレクトロニクス分野では、液晶テレビやデジカメ、PCなどすべてが不振で、プレーステーションを中心とするゲーム部門でも、予想していた業績を大きく下回ることになる。つまり、すべての部門で全滅なのである。

 その結果、大きなリストラ政策をとらざるを得なくなるが、何と翌年09年度から公表されるようになった1億円以上の経営者の年収ランキングでは、周知の通りゴーン氏に次ぐ第2位で、8億1500万円という超高給ぶりが明らかになった。

 当然本社のリストラ策として、早期退職制度の実施など1万6000人の人員削減策を発表する一方で、翌09年度には、さらに純損失が400億円以上の赤字になったにもかかわらず、この厚遇である。株主や周辺から批判的な声も上がるのも当然であった。

 その内訳は、役員報酬が4億1000万円、ストックオプションとしてソニー株50万株分の権利(1株813円とすると4億650万円)も有しており、合わせて8億1650万円にもなる。

 役員報酬の4億1000万円のうち、基本報酬が3億1000万円で、残りの1億円が業績連動報酬とのことである。大損失を計上したにもかかわらず、1億円もの業績連動報酬を受け取っていたということだが、その間ソニーの株価は4000円から2000円に半減しているのだ。

 これでは批判的な声が出るのは当然で、米国なら即刻経営責任を取らされて、クビを切られても文句は言えないであろう。(次ページへ続く)


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