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そもそもシステムトレードとは何か
【シストレ現場その2】

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2010/09/29 10:00

僕のミッションは相場の楽しさが増幅できるようなソフトウェアを作ることであると自分で定めています。(バックナンバーはこちら)

システムトレードは他のトレードと何が違うのか

 前回は、僕の一貫したテーマである、「相場は魅力的なエンターテインメントである」という点について書きました。

 また、相場は結局のところ博打の一種であるから、生き死にのかからない金額の範囲で楽しみつつ、失敗は失敗として責任を持って認める「博徒の誇り」の心得が必要である、ということについても書きました。これは相場を張る全員が認識しているべきものであろうと思います。

 この連載のメインテーマであるシステムトレードは、相場に取り組む手法の主要なジャンルの1つです。今回は、そもそもシステムトレードとは何なのか、そうでないトレードと何が違うのかについて解説しようと思います。

 システムトレードとは、どのような条件でポジションを持ち、どのような条件で決済するのかをあらかじめ「誰にでも検証できる厳密な形で」決めておくタイプのトレーディングです。

 そうではない、厳密でない条件での取引としての最たるものは、たとえば何かてきとうな株式を「なんとなく上がる気がしたから買った」というもの(おそらく誰にでも経験があるでしょう!)です。ですがそれにとどまらず、もっといくらか根拠があるように見える、

・ある企業Aは継続的に高評価の新製品を出しており、今後も研究開発予算を多く配分する方針であると新聞に書いてあったので成長性を見込んで株を買った

・日本はまだ相当の期間デフレが継続するはずなので、円を買って他の主要通貨を均等に売るポジションをとった

 といったトレードであっても、条件付けが「誰にでも検証できる」形ではないのでシステムトレードとはいえません。

 たとえば、研究開発予算を多く配分するといってもその基準はいろいろあり、売上に占める開発予算の比率であったり、全従業員のうちの開発人員の比率であったりします。また研究開発の内容も、製品に直結するところから基礎研究まで幅広いですし、投入した予算がどれだけの成果を出したのかを見極めるのも至難です。

 何を持って「研究開発予算が多い」とするかはこれだけではよくわかりませんし、まして株価がどのように影響を受けるかまでは予想が立ちません。

 一方、

・昨日の終値が777円だった銘柄は、ラッキー7なので今日の寄付で買った

 このトレードはどうでしょうか? 終値が777円であることは、この銘柄がその後上がるか下がるかとはまったく関係がないのは小学生でもわかることですが、どのような条件で買いを入れるのかが厳密であることは確かです。誰でもその気になれば完全に正確な真似をすることができます。

 この種類のものがシステムトレードです。
 ルールが厳密になっているということは、コンピュータで実現できるということです。というか、むしろコンピュータはあらかじめ決めたルールを実行すること「しか」できない機械です。そのかわり、その実行はとてつもなく速く、いくら動かしても疲れたり飽きたりしないので、このような仕事をやらせるにはたいへん向いているのです。

 上記の研究開発予算の例でいえば、研究開発予算が多いとはどのような条件であるのかをきちんと数式で表し、その条件を満たすすべての上場株式を買うのであれば、立派なシステムトレードです。条件が厳密であるとは、誰が実行しても同じ結果が出るように曖昧な条件づけをなくすということなのです。

大数の法則とは

 もうひとつ大事なのが、確率と統計の諸原理、とくに大数の法則です。決して難しくないですが、システムトレードを理解するうえで重要な部分となるので見ていきましょう。(次ページへ続く)


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