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中国「レアアース」対日輸出停止でIPOを進めていた米企業に追い風

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2010/09/29 16:30

 沖縄・尖閣諸島沖での漁船衝突事件で、中国が日本に対してレアアース(希土類)の輸出停止を実施している問題で輸出申請を自粛していた中国の輸出業者が、同国当局への申請を29日に再開したことがわかった。

 これまで中国政府は輸出停止を正式に認めていなかったが、これは、正当な理由がないまま禁輸措置を実施すれば、世界貿易機関(WTO)の条約に抵触する可能性があったからだとみられる。

 レアアースは、スカンジウム、イットリウムと、ランタンからルテチウムまでの17元素の総称。磁力の強い小さな磁石を作るための材料で、ハイブリッドカーのニッケル水素電池や心臓部であるモーターを製造する際に欠かせない物質。また液晶ガラスの研磨剤や光学レンズの添加剤など、日本が得意とするさまざまなハイテク産業で使われている。今回の輸出停止措置が長期化すれば、日本の産業界が大きな打撃を受ける可能性もあった。

 日本がこうした深刻な懸念を抱いていた一方で、「漁夫の利」を得た企業もある。それは米国にあるレアアースの会社「モリコープ」だ。モリコープは、レアアース生産・技術企業「モリコープ・ミネラルズ」を子会社に持つほか、カリフォルニア州にレアアース鉱山を保有している。そのモリコープは今年になって、レアアース資源の採掘や生産施設の更新を実施するため、IPOを実施していた。

 レアアースは、その名前から「希少」というイメージがあるかもしれないが、実は中国や米国をはじめとして、オーストラリアやブラジル、インドなど世界中には多くのレアアースが眠っている。それなのに資源開発が積極的に行われてこなかったのは、中国の供給によって市場価格が下がり、採算に合わなかったからだという。そのため、モリコープが所有する鉱山も廃坑となっていた。

 しかし、世界の供給量の9割以上を産出している中国が、輸出許可枠を今年に入って一気に40%も削減。それまでは、毎年10%づつという緩やかな規制だったため、レアアースの品薄感が広まり、価格が一気に高騰した。モリコープはこうした動きを見据えて、レアアース鉱山の稼動に向けてIPOを実施していた。その状況下で今回の事態が勃発し、モリコープにとってはさらなる追い風となった。

 資源を持たない日本にとって、今回の事件は大きな教訓となった。今後は、特定の国に頼り過ぎない多様性のある資源政策を推し進めていく必要がありそうだ。

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