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伸び悩む文房具市場で高機能ボールペンが健闘
企業の経費削減で自費購入のOL層が下支え

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2010/10/16 16:30

 少子化やIT化などを背景に、国内文房具市場は販売不振が続いている。矢野経済研究所によると、2009年の国内文房具市場規模は、前年比5。7%減の4817億円。2010年に入ってもこの傾向は変わらず、4812億円まで落ち込むことが予測されている。景気後退を受け、企業が経費削減の標的として文房具に目を向けていることも、需要縮小を一段と強めた格好だ。

 そんな厳しい環境の中、高機能ボールペンから次々とヒット商品が誕生している。売上高トップに君臨するのが、2007年に「消せるボールペン」としてセンセーショナルに登場したパイロットの「フリクション」シリーズだ。

 ボールペンで書いた文字を消す際は、修正液や修正テープを利用するのが通常だったが、同シリーズはペン後端部に付いた専用ラバーでこすると、65℃以上の摩擦熱を生じてインクが消えるという仕組み。消しカスはほとんど出ず、同じ場所に何度でも書いたり、消したりできるため、教科書や資料への書き込み、履歴書の記入といった多様なシーンで使用され、販売本数は世界累計で2億本を突破した。

 0.7ミリメートルのボールペンから始まった同シリーズは、0.4ミリメートルの超極細タイプや蛍光ペン、24色の「いろえんぴつ」タイプとラインナップを拡大。カラーも豊富なことから、小中学生からの人気も高いという。

 好きな色や太さ、デザインを選べる多色ボールペンも話題を集めている。ブームの先陣を切ったのは、2005年に発売されたパイロットの「ハイテックCコレト」。従来の多色ボールペンといえば、黒・赤・青の3色が中心で、本体も地味なデザインだったが、替芯と本体を自由に組み合わせ、「自分仕様」のボールペンを作ることができる。

 2009年には三菱鉛筆の「スタイルフィット」やぺんてるの「スリッチーズ」が発売され、多色ボールペンはますます盛り上がりを見せている。価格は組み合わせによって異なるが、スタイルフィットの場合、3色に本体を合わせると最低でも472円はかかる。一般的な3色ボールペン(315円)と比べて割高ながら、気にいったボールペンにはお金を惜しまない人は増えているようだ。

 コクヨグループのカウネットの調査によると、働く女性の9割以上は経費または現物の形で職場から文房具を支給されているものの、そのうち6割は自費でも購入していることが分かった。自費で購入する文房具は「筆記具」が7割強ともっとも多く、自費で筆記具を買う予算は「500円まで」が半数以上となった。また、購入時の重視点は、「機能、使いやすさ」が約8割を占め、「価格」(約4割)という回答の約2倍となった。

 書き味などの品質は世界の中でもトップを走る日本のボールペン。品質レベルでは差別化が難しくなった今、新機能やインクの開発、疲れない持ち心地など、消費者の潜在的なニーズを掘り起こす新たな付加価値が求められているのかもしれない。

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