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茨城県住宅供給公社、負債523億円で破産
今後も続くか「公社破産と税金穴埋め」

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2010/10/23 16:30

茨城県住宅供給公社が破産手続きの開始決定を受けた。全国には債務超過の住宅供給公社がほかにもあり、今後も破産が続きそうだ。

 茨城県住宅供給公社が8日、水戸地裁から破産手続きの開始決定を受けた。宅地開発や販売を手掛けていたが、地価の下落で思うように売却が進まず、含み損を抱え経営に行き詰った。負債総額は523億円。

 もともと住宅供給公社は、住宅の不足の著しい地域において、良好な環境の住宅や宅地を供給することを目的として設立された。設立できるのは、都道府県もしくは政令で指定する人口50万人以上の市に限られており、2010年10月現在で51の住宅供給公社が存在している。

 帝国データバンクの調査によると、無借金の住宅供給公社が12社で、債務超過に陥っている公社が10社。その中のトップが今回破産した茨城県住宅供給公社で、約396億円の債務超過だった。2位が千葉県住宅供給公社で超過額は54億円。以下、山梨県、北海道、神戸市、鹿児島県、山口県、和歌山県、岐阜県、堺市と続く。

  利益を追求しない公共事業とはいえ、住宅供給公社の財務体質が、なぜここまで悪化してしまったのだろうか。その最大の理由は、バブル期に購入した土地や不動産が、その後の長引く不況で売れなくなったこと。さらに行政が問題の先送りをしていたことも、一因として挙げられる。

 住宅供給公社の会計は、債務の償還金額にあわせて資産を償却する「償還元金法」で計算されていた。この方法では、資産の含み損が表面化しないため、かねてから問題視されていた。そこで、2003年3月期から「時価会計」が導入時された。それまでの間、ずっと危険な状態が放置されてきた。

 その後、地方住宅供給公社法が改正され、自治体の判断で公社の解散ができるようになったほか、2008年度には、公社を法的整理する際の赤字に補てんできる「第3セクター等改革推進債」(3セク債)の発行が、2009年から5年間に限って認められることになった。そしてようやく公社の改革が進み始めた。茨城県住宅供給公社は、この3セク債を活用して破産の道を選んだ。

 経営難に陥っているにもかかわらず、これらの第3セクターには、地方自治体から多額の補助金や貸付金が投じられてきた。破綻すれば、税金による穴埋めが必要となり、地方自治体の財政を圧迫することになる。茨城県の例では、破産に伴う県の負担は、670億~680億円に達する見込みで、県民1人あたりでは約2万円。一方で、地方公務員の天下り先になっている第3セクターも多く、そのような組織では整理が進みにくい側面もあるという。

 日本はこれから人口減少社会を迎え、住宅は供給過剰に陥る可能性が高い。こうした背景を考えると、3セク債活用期限の2013年に向けて、制度を利用した公社の破産が今後も増えるとみられ、最終的にそのツケは税金で賄われることになる。

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