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政府検討の増税策に「金持ちいじめ」の批判も
巻き添えの個人投資家は困惑

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2010/11/13 14:30

 2011年度の税制改正に向けて、高額所得者や個人投資家への増税が政府内で検討されている。
 高額所得者については、まずサラリーマンの給与所得控除について、年収2000万円超を控除の対象外にする方向で検討されている。

 現在、年収1000万円超のサラリーマンは一律5%の給与所得控除を受けている一方で、年収1000万円以下のサラリーマンについては、年収が下がるにつれて控除率が増えていくようになっている。控除率が増えると、もちろん手取りの年収額も増えるわけだが、今回の増税策では、年収2000万円超のサラリーマンについてはこの控除の対象外にしようというもの。しかし年収2000万超の対象者は約18万6000人しかいないため、現在検討されている増税案では、実際にはほとんど税収増につながらないとも指摘されている。

 また、所得税の最高税率見直しも検討されている。現在の最高税率は40%だが、これを引き上げる方向で議論が進められている。所得税の税率は所得が上がるにつれて高くなるので、最高税率が引き上げられれば、高額所得者への課税が強化されることになる。

 これらの増税で政府は税収増を期待しているが、増税によって高額所得者が消費や投資を控えるようになり、景気をさらに冷え込ませることも懸念されている。景気が悪くなれば、国の税収も減る。増税の結果、かえって税収が減ってしまうという事態も想定される。

証券優遇税制の廃止も検討

 一方、証券優遇税制の廃止も検討されている。現在導入されている証券優遇税制は、株式市場の活性化を目的として、株式などの配当・譲渡益(売却益)への税率20%を時限的に10%に軽減するものだが、2011年末で期限が切れる。政府はこれを延長せず、2012年から税率を20%に戻す方向で検討している。

 以前から民主党は、証券優遇税制は「金持ち優遇」だと批判してきた。しかし、個人投資家に占める低額所得者の割合は増えており、証券優遇税制廃止は「金持ち増税」ではなく「庶民増税」という側面も持つ。株式市場の低迷で、個人投資家の売買は激しく落ち込んでおり、証券優遇税制が廃止されれば、その傾向に拍車がかかりかねない。

 2007年に証券優遇税制延長が議論された際には、証券優遇税制廃止で消費や投資が減り、実質GDPを5年間で合計25兆2000億円押し下げるとの試算も出されている(大和総研による試算)。税制改正にあたっては、株式市場や経済全体への影響も考慮されるべきだろう。

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