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政治と経済の危うい関係 世界経済回復に立ちはだかる人々

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2010/12/03 10:00

あと5年間耐え忍べば世界経済の抱えている問題はほぼ解消できるでしょう。ただしそこに至るまでには大きなリスクも存在します。(バックナンバーはこちら)

日経平均は1万円を回復したが…

 10月初旬に米国で追加の金融緩和策が発表されました。株式市場は堅調に推移し、日経平均は1万円を回復しました。

 しかしその裏ではインフレの嵐が吹き始めたことが観測され、欧州ではギリシャに続きアイルランドの問題が火を噴いています。何が起こりどこにリスクがあるか、まとめてみました。

低調な米国雇用市場。デフレ期待と戦うFRB

 夏以降、期待に反し米国経済の回復が遅いことが確認されたため、市場が大きく乱高下しました。中でも雇用の回復の遅れは深刻で、5%程度が平均と考えられている失業率は足元では約10%で高止まりし、低調な住宅市場の影響もあり、急速な雇用の改善は望み薄と見込まれています。

 雇用が低調で賃金が伸びないと、消費者は節約モードに入ります。安いものを求め、高額商品の購入を手控えます。企業はより安い商品を提供しようと、人件費などのコストをカットします。人件費の削減は消費者の節約モードを加速させ、経済活動全体を萎縮させていきます。いわば、デフレ・スパイラルに陥ります。

 米国FRBは、雇用の急速な回復が臨めない中、経済活動の萎縮をもたらすデフレ期待の高まりを払拭する必要に迫られました。

 量的緩和というFRBが選んだ金融緩和政策は、市場ではさまざまな評価があるものの、結果としてドル安と金を始めとする商品価格の高騰を引き起こし、長期金利の上昇と合わせて、デフレ期待の払拭、インフレ期待の上昇に成功したように思います。

 デフレ期待がなくなれば、内容や質はともかく米国の経済は名目上拡大していきますので、株価は上昇、米国経済のセンチメントは大幅に改善します。

 しかしこの米国のインフレ政策は、周辺国に思わぬ事態を招きました。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 課長 今調査役(カチョウ イマチョウサヤク)

    大学院で物理学を志すも途中、島耕作にあこがれ金融業界へ。本職は債券市場と計量分析のアナリスト(自称調査役)であるが、お金の流れを追う過程でマクロ経済、株式、商品、アセットアロケーションなどを学び、株の銘柄選択以外すべてに通じるマルチアセットアナリストとして、多方面で活躍(予定)。日本人として日本人の資産をいかに有効利用するかを生涯の目標とする。
    好きな言葉 「潮が引いたとき、誰が裸で泳いでいたかがわかる」

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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