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第3回 信用取引で失敗しない始め方

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2007/10/01 11:30

投資初心者には恐れられている信用取引。最初の一歩がなかなか踏み出せないものですが、今回は誰でも簡単にはじめられる方法をご紹介したいと思います。

ローリスクで始めてみる

 これまで、信用取引に関する基礎的なことをお話ししてきましたが、実際に始めるとなると尻込みしてしまうかも知れませんね。そこで、誰でも簡単にはじめられる方法をご紹介したいと思います。

 信用取引を始めるにあたって最も注意しなければいけないことは、以下の2点です。

  1. レバレッジを効かせ過ぎないこと
  2. 損失の確定を早めに行うこと

 この2つを守って取引を始めれば、大きな失敗には結びつかないはずです。では、ここで「1.レバレッジを効かせ過ぎないこと」とはどういうことなのか具体的に見ていきましょう。

 これまでお話してきたように、取引開始にあたっては、まず信用取引口座を開設し、口座にお金を振り込みます。次に信用取引口座の中で購買余力(いくらまで株が買えるか)を見ます。信用取引が初めての人は、最初にここで注意が必要です。仮に30万円を信用取引口座に入金したとすると、

「入金額=30万円」に対して、
「購買余力=100万円」となります。

100万円の計算式はこうでした。

【計算式】
100万円(購買余力)=30万円※(保証金額)÷30%(保証金率)
 ※ただし、信用取引を始めるにあたって最低30万円必要

 このように、30万円あれば100万円まで株式投資ができるようになるわけですが、実際の現金は30万円しかないわけですから、もし、1,000円の株を1,000株買って、900円以下になってしまったとしたら、最低保証金維持率の20%を割り込んでしまうことになります。

【計算式】
 (900円-1,000円)×1,000株=-10万円(含み損)
  30万円(保証金額)-10万円(含み損)=20万円(残りの保証金額)

 20万円以下になると100万円の最低保証金維持率が20%割れとなり、追証(信用取引の建て玉や担保価値が下落することによって、追加で差し入れることを請求される保証金)が発生します。

 最低保証金維持率の20%を割り込んでしまうと、追加保証金を口座に入れなければなりません。最近の相場動向を見るにつけ、信用取引経験の浅い人が株価の変動についていけないにもかかわらず、レバレッジを最大限(約3倍)効かせて取引を行うとしたら、あまりにもリスクが大きすぎると言えるでしょう。

 くどいようですが、大事なところですので、30万円の保証金を入れて取引を始めたとき、どれだけの株価下落に耐えられるか、信用取引の取引額で比較してもう一度見てみたいと思います。

 以下は、委託保証金30万円で60万円の買いを行った場合と、90万円の買いを行った場合で比較してあります。どちらがどれだけ下げに強い皆さんももう一度おさらいしてみましょう。

楽天証券ホームページより
楽天証券ホームページより

 左側が90万円の信用買いをした場合、右側が60万円の信用買いをした場合が書かれています。90万円の買いの場合の最低保証金は18万円(=90万円×20%)となりますので、90万円の株価が12万円以上下がって78万円以下になると、追加保証金が必要となります(上図左側参照)。

 続いて、60万円の取引をした場合です。こちらの最低保証金は12万円(=60万円×20%)となりますから、60万円の株価が18万円以上下がって42万円以下になると追加で保証金が必要になります(上図右側参照)。

 こうしてみると、同じ証拠金でも、90万円の取引をした場合は、12万円以上の値下りで追加保証金が必要となりますが、60万円の取引の場合では、18万円以上の値下りまで追証は発生しません。

 また、追加保証金が発生するマイナス額を取引額からの下落率に直した場合でも、90万円の場合は13.3%(12万円÷90万円)ですが、60万円の取引の場合は、30.0%(18万円÷60万円)と、率にしても60万円の取引の方が約16%も下げに強いと言えます。すなわち、同じ保証金でも、取引する額が少なければ、それだけ株価の下落に対しても抵抗力があると言えるわけです。

担保は現金以外にも認められるが・・・

 さらに保証金のことでお話ししておくと、証券会社によっては信用取引の担保として、現金以外に株券などの有価証券を認めているところがあります。有価証券を担保に認めてくれること(担保に入れた株券を代用有価証券といいます)自体、株券の有効活用ができて投資家にとってはありがたいことなのですが、ただしこれには条件があります。


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著者プロフィール

  • 福永 博之(フクナガ ヒロユキ)

    株式会社インベストラスト代表取締役。IFTA国際検定テクニカルアナリスト。勧角証券(現みずほインベスターズ証券)を経て、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)に入社。マーケティングマネジャー、投資情報室長、同社経済研究所チーフストラテジストを歴任。
    テレビ東京、CS日テレ、日経CNBCなどの株式関連のテレビ番組でコメンテーターとして出演するほか、ラジオNIKKEIの「和島秀樹のウィークエンド株!」ではレギュラーパーソナリティを務めて6年目になる。日経新聞やロイターニュースなどにマーケットコメントを発信し、個人投資家向けには「週刊エコノミスト投資の達人」や「ネットマネー」など、多数のマネー雑誌で投資戦略やテクニカル分析をプロの視点から解説。証券会社や証券取引所、銀行、高校などが主催する数多くのセミナーで講師を務め、人気を博している。
    現在、投資教育サイト「アイトラスト」の総監修とセミナー講師を務めるほか、早稲田大学オープンカレッジで非常勤講師も務める。
    著書に、『実力をつける信用取引』(パンローリング)、『デイトレ&スイング 短期トレード 完全攻略ノート』、『365日株式投資ノート』(以上、インデックス・コミュニケーションズ)、 『テクニカルチャート大百科』シリーズDVD(パンローリング)など、多数。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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