チャートは人間の心理の集合体 「動きのクセ」は必ずある
前回までの連載では、システムトレードの全体像や目標を立てることの大切さがテーマでした。今回からは、いよいよルールの開発・入手、カスタマイズ、運用方法について述べていきたいと思います。
今回はルールの開発に先立って、「そもそもチャートとはどういうものか」、そして「どういう観点を持てば、有効なルールが見つかるか」についてお話したいと思います。
まず、一般的に「相場は投資家の心理の集合体」といわれます。それに関連する、興味深い研究結果を見つけました。ツイッターに投稿された投資家のつぶやきのうち、「私は~と感じる」という内容のものを約1,000万選び、それをダウ平均の予測に利用したところ、約90%もの精度で変動が予測できたというのです。
チャートは、そんな投資家の心理を「見える化」したものといえます。多くの投資家がどういうタイミングで仕掛け、手仕舞うのか、そして投資家はどんな情報を信頼して日々の売買を行っているのか、よく観察してみると共通した特徴が見えてきます。
完全無欠の「聖杯」はないが、チャートに存在し続ける共通の特徴はある
投資の世界で「聖杯」といえば、どんな状況でも勝ち続ける完全無欠のシステムを指します。もちろん、そんなものはありません。ただ「聖杯はないものの、これまでもこれからもチャートに存在し続ける共通の特徴はある」と私は考えています。
というと、「それを見つけるのが難しいんじゃないか!」というツッコミを受けそうですね。では、さっそく具体例を紹介しましょう。
これからも存在し続ける共通の特徴の例:上昇トレンドでは支持線で反発しながら上昇する
たとえば、「株価が上昇トレンドにある場合、株価は支持線で反発しながら上昇していく」という特徴があります。これまでのチャートにも多く見られてきましたし、この特徴を信じ、利用して売買している投資家も非常に多いです。おそらく、今後も投資家に信じ続けられていくため、今後も継続していくと考えられます。
以下は、日経平均の2007年3~7月の日足チャートです。きれいに支持線で反発している様子がおわかりいただけると思います。(次ページへ続く)
