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「こち亀の両さん」普通の生活しか送れない?
漫画の性描写規制に漫画家や出版社大反対

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2010/12/19 14:30

東京都が、性描写を規制する青少年健全育成条例改正案が可決した。漫画家や出版社など反対派は多く、経済面にも影響を与えそうだ。

 東京都議会総務委員会は13日、子どもの登場人物による露骨な性行為が描かれた漫画などの販売・レンタルを規制する青少年健全育成条例改正案を可決。都議会の民主、自民、公明の3会派が賛成した。改正案では「刑罰法規に触れる性交等」などを「不当に賛美・誇張」して描いたものを規制対象とし、書店に対して18歳未満への販売を禁止し、店頭での区分陳列を義務づける。

 これまで賛成派、反対派ともに活発な動きを見せていた。賛成派の都小学校PTA協議会ら5団体は12月3日、石原慎太郎都知事に要望書を提出。都小学校PTA協議会の新谷珠恵会長は「子どもたちが健やかに育てるように、社会作りにお力添えをいただきたい」と述べ、児童が性的対象になることが、野放しの状態となっている現状に、早急な改善を訴えた。

 一方、反対派としては、11月29日には漫画家のちばてつや氏、秋本治氏や出版社の幹部などが条例に反対する声明を発表。ちば氏は「この条例によりアニメや漫画を志す若者たちが萎縮するのではないか」「漫画やアニメーションの文化がしぼんでしまうことをすごく心配している」と語っていた。秋本氏は「自由度があるのが漫画の世界。それを規制すれば、『こち亀』の両さんは単なる普通の生活を送らざるを得ない」との意見を述べていた。

 12月3日には、改正案に反対する弁護士や日本ペンクラブ、大学教授らが、規制範囲が拡大しているとして会見を行った。規制の対象となる行為をキャラクターの年齢制限ではなく、「刑罰法規に触れる性行為」に変更したことで規制範囲が広がり明らかに表現規制だと主張している。

 12月10日には、角川書店のほか講談社、集英社、小学館など主要な漫画雑誌や単行本を発行する出版社でつくる「コミック10社会」も同改正案に抗議の意思を示すため、「東京国際アニメフェア」への出展辞退を表明した。このイベントは石原都知事が実行委員長を務め、2011年3月下旬に開催予定とされていたが、現時点では開催を危ぶむ声も上がっているという。

 インターネット上でもさまざまな声が上がっており、「漫画やアニメが害悪で、小説なら害悪じゃないと言いたいのか?」といった指摘や「もうこれはオタク文化だとかそういうレベルじゃない。この法案を通したら、他のものまで一気に失う」といった反対派の意見が多く見られた。

 賛成する声としては「理性が未熟な子どもが、過激な物に触れてはいけないとも思う。ゾーニングの徹底なら賛成」「漫画は好きだが、今の惨状を認めたら、せめてブース分けぐらいの努力は必要。海外で変態が日本文化として紹介されているのは異常」といった意見もある。

 一方で「日本の漫画やアニメ文化は、10兆円規模ともいわれており、今や日本経済を支える産業の一つとなっている。それを自ら縮小させようとするのだから滑稽だ」という経済への影響を懸念する声も見られる。

 東京都には、出版社や印刷会社が集中しており、漫画やアニメなどサブカルチャーの聖地ともいえる秋葉原もある。またビッグサイトでは、同人誌の即売会も開催されている。今回の規制は、市場の縮小傾向が続いている出版業界にとって、経済的な打撃も大きそうだ。

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