相場に正解はあるのか?
相場で勝つにはどうしたらいいのでしょうか。正しい分析をして、正しい売買をすれば、相場で勝てるのでしょうか? 相場で勝った時は、正しい売買をして、正しい分析をしていたから勝てたのでしょうか? そもそも、「正しい」とは何なのでしょうか。
勝ち負けという結果がすべての相場の世界
勝てば楽しく、負けてものめり込むのが相場の世界。相場における投資家の行動は基本的には「買った」「売った」の2つだけ、結果は「勝った」「負けた」の2つだけです。
「買った」「売った」の2つだけの選択肢から、「勝った」「負けた」のどちらかの結果にしかならないのは、丁半博打にも似ています。この行動決定の単純さと勝敗の明快さが、相場の魅力の1つでしょう。
勝敗とは何事だ、相場はギャンブルではないとお叱りを受けるかもしれません。自己の経験、知力、観察力、胆力、すべてを駆使し、マーケットのゆがみから収益機会を得るのが相場の醍醐味だと言う方もいるでしょう。
しかし、経過はどうあれ醍醐味がどうであれ、結果が全てが相場の世界。相場における勝敗は、「プラス・マイナス」「正誤」「白黒」と同義です。勝てば官軍、負ければ賊軍。いやらしい表現ではありますが、これを否定することは難しいでしょう。
投資家は結果への経過過程に意義を求める
結果が全てが相場の世界ですが、投資家は結果への経過過程に意義を求めるのも相場です。投資行動を非常に単純化すると「検討・分析→売買→反対売買」となります。検討・分析・売買が過程経過で、損益を確定する反対売買が結果です。
そして、結果が利益確定となれば「正」とされ、損失確定となれば「誤」として明確に烙印を押されるわけですが、では、投資家が意義を求める結果に至る過程(検討・分析・売買)に正誤はあるのでしょうか。
かの有名なケインズは玄人投資家の行動パターンを「美人投票」に例えました。自分が最も美しいと思う女性に投票するのではなく、大多数が支持するであろう女性に投票することが有効であるということです。
個別株であれば、自分がいいと思う銘柄を買うのではなく大多数の人がいいと思うであろう銘柄を買う、株価指数であれば、自分が上がると思っているから買うのではなく大多数の人が上がると思うであろうとして買うことが有効であるということでしょう。(次ページへ続く)