MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

多くの投資家の常識に潜むワナ
「長期投資と逆張りのリスク」を考える

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2010/12/22 10:00

ドルコスト平均法も長期投資も逆張りも実は経済成長が前提。日本は旧態依然として変わらないと思うなら、今までとは違った戦略が必要になる。(バックナンバーはこちら)

株式の長期リターンは本当にプラスか?

 一般に、「株式の長期リターンはプラスである」と考えられていたと思います。このため日本株が大きく下がるたびに、「今が買い時」と言う声が多くなったような印象があります。

 しかしながら、日本経済と日本株が「失われた20年」と約10年周期の3度のバブルを経験しても長期下落トレンドから脱却できなかった結果、私見ながら、国内外の投資家に日本株に対する長期投資と逆張りのリスクが認識されてきているように思われます。

 仮に、「株式の長期リターンがプラスでは無いこともありうる」とするなら、長期投資と逆張り投資の組み合わせという投資手法は大きなリスクを伴っている可能性があることになると考えられます。

長期投資+逆張り投資のリスクとは

 高度成長期の日本や、ここ数年の新興国の株式のように経済規模が拡大している時期には、一般に株価は長期的にみれば上昇することが多いと考えられています。この場合、結果として、基本的にはどのタイミングでも買えば良く、短期的な下落局面は逆張り投資の買い機会となることが多かったともいえるでしょう。

 ちなみに、株価が長期的には上昇トレンドにあると考えるのであれば、一定間隔で同額を買い付け平均コストを下げる「ドルコスト平均法」も有効ということになります。これは、ドルコスト平均法が「安いときにたくさん買う」という一種の逆張り戦略であるからです。

 では、「株式の長期リターンがプラスでは無いこともありうる」とするなら、長期投資と逆張りはどういう結果になってしまうのでしょうか?仮に下がり続けるのであれば、長期間保有すればするほど悪い結果となってしまいます。また、大きく下がった後でも、さらに下がる可能性があります。仮に一時的にリバウンドしても、手仕舞わないなら再び下がって損失を蒙ってしまうことが予想されます。

 つまり、長期的に株価が上昇しないのであれば、長期投資も逆張りも(ドルコスト平均法も)有効な投資戦略とはなりえないことになってしまいます。

投資に活かすなら

 仮に、日本の少子高齢化の流れが止まらず、構造改革も進まず、日本の経済規模が縮小すると考えるのであれば、私見ではありますが、以下の様な投資手法が有効となる可能性があると考えられます。

市場の歪みにだけ投資する

 日本株全体の値上がりを狙って長期の投資ポジションを持つのではなく、日本株の季節的な価格変動の傾向やコーポレートアクションに関連するような値動きからの短期的な収益だけを狙う手法は、市場全体の長期トレンドにかかわらず有効と考えられます。

 ちなみにこれを業界風の言い方をすれば「日本株のベータはとらずにアルファを狙う」となります。

下落トレンドが継続すると考えてプットやニアピン主体に使う

 今後も日本株が停滞する、あるいは多少戻しても軟調なトレンドが続くと考えるのであれば、日経平均プット、TOPIXプットや日経平均ニアピンを利用した短期トレーディングが有効となる可能性があります。

周期的なうねりだけに投資する

 過去20年の日本株の値動きを見る限り、例えば3~5年程度の間隔で、大きく調整し、その後戻るという相場の「うねり」があったように思われます。

 そこで、1990年や2008年ほどのクラッシュでなくとも、1992年、1995年、1998年、2003年といった大幅な調整時のみプットの短期トレーディングと個別株式の中期狙いの買いで参加し、他の期間はポジションを減らすといった手法が、今後も有効となる可能性もあります。

 もちろん、上記の前提とは異なり、日本経済が税制、社会福祉、政治・貿易体制等を含めた抜本的な構造改革に成功し、再び成長軌道に戻って、日本株を単純に長期間保有していれば大きなリターンが期待できるようになることを個人的に願っていることはいうまでもありません。

 では次に話題を変えて、「長期投資」が推奨されているブラジル投資について考えてみましょう。FXでは取引できなかったブラジルレアル投資。少額投資なら税金も有利とされるその方法とは?(次ページへ続く)


  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

All contents copyright © 2007-2020 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5