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牛丼店狙う強盗事件はなぜ多発するのか
激化する低価格戦争の裏側に潜むリスクとは

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2011/01/09 14:00

牛丼チェーン最大手「すき家」を狙った強盗事件が多発している。激化する牛丼戦争の裏側に潜むリスクを探った。

 牛丼チェーン「松屋」は11日から期間限定で牛丼を値下げする。通常価格より80円安い「牛めし」1杯240円は業界最安値となる。

 牛丼業界は「松屋」を運営する松屋フーズ、「すき家」のゼンショー、「吉野家」の吉野家ホールディングスが低価格競争を繰り広げる外食激戦区だ。かつて業界をリードしていた吉野家は、すき家と松屋が攻勢をしかける低価格競争に出遅れて苦戦を強いられている状態だが、昨年に280円の「牛鍋丼」をリリースするなど巻き返しに必死だ。

 各社は低価格を実現すべく、経営や店舗運営でマニュアルを徹底し、コスト削減に励んでいるが、こうした合理化を進める一方で、懸念されているのがセキュリティの問題だ。

 というのも牛丼チェーンを狙った強盗事件が多発しているからだ。東海3県だけでも、昨年発生した強盗事件(未遂を含む)は、愛知14件、岐阜5件、三重1件の計20件にもおよぶ。とくに深刻な被害を受けているのが「すき家」。計20件のうち18件と、ほとんどの事件がすき家で発生しているのだ。

 強盗に狙われる原因の1つとなっているのが、同チェーンが推し進めている、夜間の1人勤務、通称「ワンオペ」だ。客が少なくなる夜間では、一部の店舗で人件費をおさえるために、接客や調理、清掃などをスタッフ1人で行うシステムを採用しているのだが、店員が1人しかいないということは、防犯上、弱点となる。

 今年5日にも、愛知県ですき家が強盗被害にあったが、その際にも県警はゼンショーに、防犯体制の強化を要請したが、現時点で同社から「ワンオペ」の廃止などの発表は出ていない。

 もちろん悪いのは強盗を犯した犯罪者だが、犯罪社会学の専門家は「企業には客や店で働く人の安全を確保する責任がある」と警鐘を鳴らす。激化する競争に打ち勝つために、店舗運営の合理化を進める姿勢は理解できるが、強盗などの犯罪を未然に防ぐような環境を求める声が企業側に寄せられているのも事実だ。

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