MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

相場で「的中率100%」には裏がある
【シストレ現場その6】

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2011/02/02 10:00

僕のミッションは相場の楽しさが増幅できるようなソフトウェアを作ることであると自分で定めています。(バックナンバーはこちら)

パラメータ調整法「オーバーフィッティング」に気を付けよう

 今回は、僕の会社で制作しているトレーディングツール「Tactico」に新しく追加しているシステムトレード機能の紹介の第2回で、ストラテジの調整方法をとりあげます。

 今回も、紹介するソフトウェアの機能は開発中のものなので、公開時にはいくらか変化している可能性がありますが、大きく変わることはないでしょう。

 さて、ストラテジの調整において気をつけるべきポイントは「オーバーフィッティング」です。これは、過去のデータに対して最適化しすぎたために汎用性を失い、将来のトレーディングには役に立たなくなる、というものです。

 簡単に例えれば、山岳地帯での徒歩の移動に最適化して重装備の登山道具やキャンプ用品で身を固めた人は、たしかに山では普通の人より活躍することができますが、都市や海や砂漠ではむしろ装備が邪魔で移動力は普通の人以下になる、というような感じです。相場にはいろいろな局面があるので、そのうち1つだけうまくやることができても全体で成果を上げることは難しいのです。

 もうちょっと例を出しましょう。
 宝くじの情報が掲載されているサイトから、「ナンバーズ3」のある時期の本物の当選番号をもってきました。

当選番号は、第3030回から第3033回まで以下のようになっています。

第3033回→「923」
第3032回→「353」
第3031回→「424」
第3030回→「691」

これだけを使って、次の当選番号を予測する数式をてきとうにでっちあげることは簡単にできます。たとえば、

((前々回の当選番号)×131+(前回の当選番号)×443)mod 1000=次の当選番号

になっています。(mod 1000 は1000で割った余り、つまり下3桁です)

 実際、
691*131+424*443=278353
424*131+353*443=211923
なので、上の過去履歴に関してのみは完全に的中しています。

 ちょっと数学の知識は必要ですが、この程度の式を創作するのは紙と鉛筆だけを使ってもすぐできます。さらにこの手法を一般化すれば、過去10回連続的中するような式を生み出すこともできます。

 さすがにそこまでになると手計算ではちょっと無理なのでコンピュータを使わないといけないですし、式自体もこれよりはずいぶん複雑になるでしょうけれども、それほど難しい話ではありません。

 ですが、結果だけを見ると何か魔法のような気がするかもしれません。当選番号に何か規則性があり、予測可能と信じる人はいくらかいるのかもしれません(まあ、予測していると謳ういかがわしいWebサイトが世の中にいくつもあるので、だまされる人も多いのでしょう)。

 しかし相場の世界では、つい類似の過ちを多くの人が犯してしまいます。(次ページへ続く)


  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

All contents copyright © 2007-2021 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5