子育て支援という付加価値を付けたマンションが目立つようになっている。1月31日に竣工した東京都中央区の賃単マンション「アパートメンツタワー勝どき」では、総戸数536戸のうち、100戸が子育て世帯向け住戸「グロースレジデンス」になっている。
銀座四丁目交差点から約1.5キロという立地でありながら、「グロースレジデンス」(2LDK)の家賃は月額13万2000円~15万4800円(管理費別・インターネット使用料込)と、相場の3分の2程度。何かと入り用な子育て世帯にとってうれしい価格設定となっている。一部住戸では、玄関まわりに三輪車やベビーカーを置くことができるスペースがあったり、可動式間仕切りで子どもの成長に合わせて間取りを変えることもできる。
また、物件内には、中央区初の認定こども園があるほか、クリニック(小児科・眼科など)や店舗、プレイホールもある。NPOと連携した子育て支援サービスも提供されている。手のかかる未就学児を抱える子育て世帯のニーズに応える形で、子育てをサポートする設備が揃えられている。なお、「グロースレジデンス」の募集は既に終了している。
子育てしながら働く女性のためのマンションも登場している。東京都江東区の分譲マンション「ザ・ミッドランドアベニュー」(3月上旬に販売開始予定)は、「家事時短」が可能となる独自の間取りが採用されている。キッチンが部屋の中心に据えられ、それを取り囲む形で洗面所や寝室などが配置されている。家事導線を効率化することで、家事にかかる時間が短縮されるという。また、物件内に、認可保育園や育児用品ショップ、親子カフェなども併設される予定だ。
病児・病後児保育に対応した子育て支援マンションも開発されている。東京都八王子市の分譲マンション「クレヴィア京王堀之内パークナードII」(2010年3月竣工)では、「あんしんサプリ」と呼ばれる保育・医療サービスを導入。認証保育所と病児保育室、クリニックモールを併設している。子どもが病気になった時に、共働き家庭でも対処しやすいような環境が整備されている。
人口減少が続く日本経済において、右肩上がりの需要が望めない以上、マンションにも高い付加価値が求められる。きめ細かいニーズに対応した付加価値マンションは、子育て以外の分野でも広がっていくものと思われる。
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