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「古本の寄付」で誰でもタイガーマスクに
企業や家庭で浸透する社会貢献に注目集まる

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2011/02/19 14:30

 漫画「タイガーマスク」の主人公・伊達直人を名乗り、児童養護施設にランドセルを寄付するタイガーマスク運動。最近では、ランドセルの他、文房具や図書カード、米、毛ガニ、現金と贈り物が多様化しているが、寄付といってもお金が掛るものだけではない。お金や時間に余裕がなくても気軽にできる寄付として、企業や家庭で浸透しつつあるのが古本の寄付。その仕組みは、古本の買取金額またはその一部をNPOに寄付するというものだ。

 インターネット古書店サイト「イーブックオフ」を運営するネットオフ(愛知県大府市)は、本やCDを30点以上集めると、宅配会社が自宅まで無料で引き取りに来てくれる。買取金額に承認すれば、銀行口座に入金されるというのが通常の買取の流れだが、「スマイル・エコ・プログラム」に参加すると、買取1件につき50円をネットオフの負担で寄付することができる。さらに、寄付先は途上国の子ども支援コースや森林の保護コースなど、複数のNPOから選択可能だ。

 眠っている社内の書籍を活用しようと、企業からの申込も増えている。これまでにアーク引越しセンターやヤクルト本社、オークローンマーケティングなどが同プログラムに参加。寄付金の累計は3000万円に到達した。

 NPOの資金調達活動はファンドレイジングと呼ばれ、欧米では企業とNPOが連携する形でさまざまな方法が取り組まれている。しかし、日本では「欧米に比べて寄付文化が定着していないことや、NPOの資金集めの手段が書き損じハガキや使用済みテレカの収集などに限定されている」(ネットオフ)ことから、活動資金不足に悩むNPOは少なくない。このためネットオフは2007年から、宅配買取サービスの利用者向けに寄付事業を実施したという。

 同じく古本のネット販売を手掛けるバリューブックス(東京都杉並区)はNPO法人の「育て上げ」ネット(東京都立川市)と提携し、古本の寄付によってニートの自立・就労支援を行う。バリューブックスが古本の集荷・買取を行い、買取相当額を同NPO法人が活動資金の一部として使う仕組みだ。この「キフボン・プロジェクト」には、今年1月下旬までに約6万6000冊が寄付され、寄付総額は約188万円に上った。

 近年は、CSR(企業の社会的責任)推進の一環として、寄付に取り組む企業は増えているが、長引く不況で寄付への経費を削減するケースも少なくない。その一方で、企業にはプロジェクトが終わるたびに用済みとなる書籍が多いため、「経費を掛けて処分するよりも、寄付の財源にできれば」と同プロジェクトに参加する企業が増えてきた。

 進学や転勤のシーズンを控え、家庭社職場で不要になった古本が出てきた人も多いはず。捨てるには惜しい古本なら、これらのプロジェクトに寄付してはいかがだろう。

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