MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

「日本国債or東京都債」どちらが安全資産か

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2011/03/13 18:00

格付け会社によって日本の格付けが引き下げられましたが、もし日本国債が安全資産でないと考えるなら、市場はどうあるべきかを考えてみました。(バックナンバーはこちら)

東京都債と日本国債どっちを買う?

 リビアを筆頭とする中東情勢の混乱から、オイルショックのような状況に陥りつつあります。そんな中、日本では心配した通り政治の混乱が悪化し、外資系格付け会社は日本国債を格下げ、日本の格付け会社であるR&Iも「日本国債のAAA維持はそろそろ限界」との認識を表明しました。

 もし日本国債が安全資産でないと考えるなら、市場はどうあるべきかを考えてみました。

日本国債の状況を整理する

 日系格付け機関R&Iは3月7日、「日本国債のAAA維持はそろそろ限界」との認識を示しました。日本国債はどのような状況にあるのでしょうか?

 日本国債の状況は、2つのポジティブ要因と2つのネガティブ要因に集約できます。

ポジティブ要因

1. 日本は製造業の競争力が高く安定的に経常黒字を確保している。また、多額の対外債権を持っている、つまり外国からの借金はゼロである

2. 国債の発行残高が多いものの、国債はほぼすべて国内で消化されており、政府の管理の及ばない国外保有者が多い米国、南欧諸国などとは事情が大きく異なる

ネガティブ要因

1. 歳入の半分以上が赤字国債で補填され、国債の発行残高が急増している。また、少子高齢化の進展から今後も歳出の増加が見込まれる

2. 政府には徴税権があり、最終的には国債は償還されると期待されているが、その徴税権を発動するはずの政府が機能不全に陥っており、危機が起きても法律改正などの対応ができない可能性がある

 日本国債はデフォルトするか?という議論は、この4つの論点がほぼ独立した形で噴出するため、結論にたどり着くことはありません。

 現在の状況は継続可能ではないと認識されているものの、今すぐ破綻してしまう決定的な要因もなく現在に至っています。今回、格付け会社は4つめの論点「政治の機能不全」を重く見て格付けの変更を行っています。

日本国債が危機に陥るいくつかの要因

 危機が叫ばれ始めて10数年、結局何事もなく無事に乗り切ってきた日本国債ですが、実際に危機に陥るいくつかの要因が見えてきているので、確認したいと思います。(次ページへ続く)


  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • 課長 今調査役(カチョウ イマチョウサヤク)

    大学院で物理学を志すも途中、島耕作にあこがれ金融業界へ。本職は債券市場と計量分析のアナリスト(自称調査役)であるが、お金の流れを追う過程でマクロ経済、株式、商品、アセットアロケーションなどを学び、株の銘柄選択以外すべてに通じるマルチアセットアナリストとして、多方面で活躍(予定)。日本人として日本人の資産をいかに有効利用するかを生涯の目標とする。
    好きな言葉 「潮が引いたとき、誰が裸で泳いでいたかがわかる」

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

All contents copyright © 2007-2020 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5