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「地震保険」の世帯加入率は岩手・福島で10%台
割高な保険料と低い補償金額が加入の妨げに

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2011/03/27 16:00

地震への備えとして、誰もが思い浮かべる地震保険。だが、加入率は全国平均で23%と低水準にとどまっている。加入の障壁とは何か。

 東日本大震災の発生以降、損害保険会社各社には契約内容の確認や新規加入などの問い合わせが相次いでいる。テレビで連日報道される甚大な被害を目の当たりにし、地震保険が改めて注目されているためだ。日本損害保険協会によれば、今般の大震災で支払う地震保険金は阪神・淡路大震災時の約783億円を上回り、過去最大の1兆円規模に達する見通しだという。

 1995年の阪神・淡路大震災以降、地震保険の加入者は増加基調をたどっているものの、2009年度末時点の世帯加入率は全国平均で23%と低水準。被災地の世帯加入率は、宮城県が32.5%と愛知県(34.5%)に次ぐ第二位だが、青森県・岩手県・福島県は10%台にとどまり、全国平均を下回っている(損害保険料率算出機構)。

 では、なぜ地震保険の加入率は伸び悩んでいるのか。野村総合研究所によれば、地震保険に加入しない主な理由として、「保険料の高さ」と「補償される保険金額が不十分」という2点を指摘している。そもそも地震は、広範囲にわたって損害が発生することが多いことや、地震が起こる周期は数百年・数千年以上と長く、予知するのが非常に困難であるため、確率論の基本法則「大数の法則」に乗りにくいリスクだといわれている。このような事情から、地震の発生しやすい地区ほど保険料は高くなりやすい。

 一方、地震保険は被災後の当面の生活費をまかなうための保険であるため、建物の再建を目的としている火災保険に比べ、補償される保険金額が低く設定されている。補償金額には上限があり、建物は5000万円、家財は1000万円まで。被害の度合いによって、火災保険の30%~50%の範囲で設定される。加えて、加入の際は火災保険とセットで契約するのが原則となっており、こうした煩わしさも加入の障壁になっていると考えられる。

 地震保険に加入するか否かは悩ましい選択であるが、実際に被災したときのことを考えると、住宅の再建はおろか、当面の生活費に困窮する恐れがあるのは、年収が低く、住宅ローンなどの借り入れがある世帯である。国や自治体から支援金が給付されても、基礎支援金は100万円と限られているため、震災後の生活は自助努力が必要との認識を持ったほうがいいだろう。

 実際に被災すれば、資産状況にかかわらず、誰しも今後の生活に不安を感じるものである。日頃は地震対策を怠っていた人も、イザという時に一刻も早い生活再建に取り組めるよう、地震保険の加入意義を改めて考えてはいかがだろうか。

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