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280円ユッケ、トリミング省略で実現?
厚労省の呼びかけ、消費者に届かず

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2011/05/11 11:00

 富山県砺波市の焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」の富山県と福井県の2つの店舗で4月に食中毒が発生し、生肉のユッケを食べた男児2名が腸管出血性大腸菌「O111」に感染し、その後死亡するという事件が発生した。また、5月4日と5日にも富山県の同チェーン砺波店でユッケを食べて重体になっていた40歳代の女性と70歳代の女性が死亡し、死亡者は4名に上った。

 同店は低価格が売りだった。トントロは1人前100円から、和牛トロホルモンも190円、今回問題となった和牛ユッケは280円という破格の値段で販売されていた。

 もともと厚生労働省の生食用の肉に関する基準は、生レバーによる食中毒の多発を受けて、1998年に制定された。決められた場所と手順で牛などを解体するほか、販売する際は「生食用」と明記する必要がある。しかし、これに強制力や罰則はなく形骸化していた。

 2008年に同省は、この通知に基づいた生食用食肉の出荷実績があったのは、馬の肉・レバーだけだったとし、牛肉や鶏肉はその基準を満たすものはなく、生で食べると食中毒になる可能性があると注意を呼び掛けていた。

 また同基準では、卸売業者や販売業者に対し、細菌が付着しやすい肉の表面を削り取るトリミングという作業について細かく規定していた。飲食店での調理についても、「(生食用食肉の)調理はトリミングを行った後に行うこと」などと記されている。

 卸売業者の大和屋商店は2009年5月、ユッケ用生肉の販売を提案し、フーズ社に「歩止り(使用可能な部分の割合)約100%」の肉と伝えていたメールが公開されている。

 しかし、大和屋商店側は加熱用のため、トリミングをせずに出荷していたと述べている。一方でフーズ社は、卸売業者がトリミングを実施していたため、店舗では行っていなかったと主張。つまり、どちらも行っておらず、和牛ユッケ280円という低価格はトリミングの省略によって実現されていたともいえる。

 今回の事件を受け厚生労働省は、9月末までに罰則規定のある生食用食肉の衛生基準を新設することを明らかにした。またそれまでの措置として、飲食店がトリミングなど同省の衛生基準に適した処理をどこで行ったのか、店頭やメニューで表示するよう全国の自治体に通知した。

 飲食店では十分な注意のもとで提供されていると思いがちだが、消費者側も、生肉を食べること自体が危険性が高いことを改めて認識しておきたい。

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