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買い手企業に求められる、資金力とモラル
ネーミングライツビジネス難航の背景

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2011/05/28 16:00

 「ネーミングライツ(命名権)」というビジネスがある。これは、多くの人が集まる場所や、利用する施設の「名称をつける権利」を一定期間販売するもの。誕生は1970年代のアメリカ、そして日本では1990年後半に登場した。

 「ネーミングライツ(命名権)」は、売る側にしてみれば、施設・場所の維持管理費用の軽減になり、買う側にとっては社名などを広くアピールできる。このメリットが、予算の厳しい地方自治体、効果的な宣伝・告知手段を模索する企業に受け入れられた。今や公園、橋、バス停までもが、その対象となっている。

 一方で課題も多い。プロ野球を一例に挙げてみよう。現在各地で熱戦が繰り広げられているセ・パ交流戦の舞台、各球団の本拠地球場も「ネーミングライツ(命名権)」の恩恵を受ける施設のひとつ。

 しかし札幌ドーム(北海道日本ハムファイターズ)では、買い手となる企業が現れず、応募期間を延長した。応募条件は、年額5億円以上で契約年数は5年以上とある。やはり不況下の昨今、特に地方ともなると、最低25億円という金額は大きな足かせとなっているようだ。

 プロ野球の本拠地球場は、準本拠地球場を含め13を数える。うち球場名に「ネーミングライツ(命名権)」を導入しているのは5球団6球場。契約年額は、1球場が非公開のため、5球場平均で年額2億6200万円、契約年数は6球場で平均5年となっている。

 さらに不測の事態も起こりえる。企業の不祥事だ。パ・リーグの本拠地球場で、唯一「ネーミングライツ(命名権)」導入を中断した球場がある。西武ドーム(埼玉西武ライオンズ)だ。しかし2007年に西武ドームの「ネーミングライツ(命名権)」を持っていたのは、違法派遣業務、介護報酬不正請求で大問題となったグッドウィルグループだったことに起因しているとも考えられる。

 2007年に違法派遣、翌2008年には古紙偽装と連続して不祥事に見舞われ、名称が二転三転した日本製紙クリネックススタジアム宮城(東北楽天イーグルス)の例もある。

 企業が問題を起こせば、施設についてもイメージダウンは避けられない。「ネーミングライツ(命名権)」を買った企業は、期間限定とはいえ、いわば施設の名付け親である。親である以上は、コンプライアンス(法令遵守)など、真摯に業務へ取り組むべき姿勢が求められることはいうまでもないだろう。

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