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為替はゼロサムか、非ゼロサムか?

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2011/09/02 14:00

為替は一般にゼロサム取引とされているが、米ドルが無尽蔵に発行されるのであればその前提が崩れる可能性がある。(バックナンバーはこちら)

株式投資の場合は、非ゼロサムだが…

 投資や投機の性質を説明する際に「ゼロサム」か「非ゼロサム」かといわれることがあります。

 この場合、一般に「ゼロサム」という場合には、参加者の損益の総和が(各種手数料を除いて)ゼロになるもの、「非ゼロサム」という場合は、ゼロにならないもののことを言います。

 しばしば例に挙げられるのはギャンブルと株式投資です。ギャンブルは参加者の掛け金から勝者の取り分が支払われます。つまり、敗者の負け分+勝者の勝ち分+運営者のコスト(手数料・税金等を含む)を合計するとゼロになります。

 一方、株式投資の場合は、非ゼロサムなので、全体の富が増えたり減ったりします。現物株式だけの例で考えると、最初にある株式を持っていたAさんがBさんに売って、Bさんが値上がりした後でCさんに売却したとすると、Bさんが利益を得ているだけではなく、その時点において富の総和が増えています。

 外国為替投資はゼロサム?

 一般に外国為替取引はゼロサムといわれることが多いと思われます。例えば「ドル売り円買い」は「ドル売り」であると「円の買い」であり、立場をかえると売買の方向が逆になるということからもゼロサムであることが分かりやすい取引形態であるとされています。

 ただし、これらが常にゼロサムであるかどうかは議論が分かれます。例えば、米国政府が基軸通貨の特権を活かしてこれからも米ドルを遠慮なく刷り続けるとしましょう。すると、世界中に米ドルはあふれることが誰の目にも明らかになり、米ドルの他通貨に対する交換レート(つまり価格)は下がり続けることになります。そうなると極めて長期間に亘って米ドルの売り手が儲けて、買い手が損をするという非ゼロサムな状況もありえるのかもしれません。

eワラントは原資産の特性を考える必要あり

 eワラントのように原資産がある取引の場合は、そのものだけを見れば損益はゼロサムになっていると思われがちです。

 しかしながら、例えばマーケット・メーカーはリスクをヘッジする取引を行っています。このため、株式を原資産とするeワラントは非ゼロサムである一方、仮に外国為替取引がゼロサム的であるとするなら為替リンク債を対象とするeワラントもゼロサム的な要素が強くなる可能性があると考えられます。つまり、eワラントがゼロサムであるかどうかは、原資産によるといえるわけです。

外貨投資を続けるには非ゼロサムという確信が必要?

 ゼロサム(あるいはゼロサムに近い状況であることが多い)投資を繰り返すと理論上は損益がゼロに近づくと考えられます。

 実際はこれに手数料等のコストが加わるのでマイナスになる可能性が高くなります。このため、外国為替相場に対して長期的な投資を行う場合には、これが非ゼロサムという前提を持っているか、他の誰にもまねができないようなエッジ(独自の強み)が必要と考えられます。

 なお、一般に、市場規模が小さい、情報が偏在している、市場参加者が少ないといった市場であれば、エッジが得られやすく、円ドル相場のように巨大で参加者が多く、情報が溢れている市場ではエッジがもちにくいと言われています。多くの場合は、エッジがないゼロサム投資を避け、エッジがある非ゼロサム投資を探す方が有効です。常にこの観点から投資対象を探せば、リターンは向上しやすいと考えています。

 さて、では次に話題を変えて、秋の投資について考えてみましょう。秋に株が下がったところで拾おうなどと考えているのはちょっと甘いかもしれません。(次ページへ続く)


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