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経済危機でも幸せな欧州人を見習うべき?
働き過ぎ、使い過ぎる、いまだ中流気取りの日本人

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 危機的状況でも毎日の生活を楽しもうとする欧米人、裕福でも悲観してばかりの日本人。高給取りでも毎月赤字の中途半端な富裕層、低収入でも趣味と家族に囲まれて心豊かな下流層。いったいどちらが幸せ?

景気が悪いのに明るい欧州人、裕福なのに満足しない日本人

 ギリシャやイタリア、スペインなど、前回と前々回の2回にわたってご紹介したユーロ危機は、まだまだ危ない経済状況が続いている。世界的な格付会社のスタンダード&プアーズは、欧州の大手金融機関の格付を1~2段階下げる方向で検討している。

 そんな厳しい経済状況の中でも、庶民たちは日々の生活を愉しんでいるようだ。毎日デモが続くギリシャでも、街のカフェをのぞけば、初老のおじさんたちがバックギャモンに乗じてたり、イタリアでも、街の広場にたむろして、カルチョ(サッカー)話に華を咲かせている。どんなに厳しい状況でも、日々の暮らしを愉しもうという彼らの意識は、昔から変わらないようだ。

 一方日本では、欧州各国に比べて、格段に裕福な生活を送っているというのに、まだまだ満ち足りず、現状に不満を抱く人も多く、相変わらずバッグや靴など高級ブランド品や高級外車に目がないようだ。

 なぜ日本人は、交通手段や住宅もそれなり発達して便利になり、教育や医療などの社会保障も充実して、日々の生活には困らないはずなのに、毎日満ち足りず、もの足りないと思うのだろうか。

 それはひとえに、生活は裕福なのに、心に余裕がないからである。現在の日本では、先行き不安になるのは当たり前かもしれない。まだまだ続く福島原発の放射線問題や経済の停滞、そして危機的な国家財政、将来の見えない年金不安など、暗くなるような問題が山積しているからだ。

 しかし、ユーロ危機や格差デモを見るまでもなく、それは欧米でも同様で、難問は山積している。

いまだに“中流意識”の亡霊に悩まされる日本人

 特に欧州では、高い失業率に悩まされ、仕事もお金もない人たちが溢れている。ただ、そんな境遇を嘆いたり悲しんだりしても、何も変わらないということで、すべて受け入れた上で、毎日を楽しく過ごす術を知っているのが、日本人と違うところである。

 日本人の“中流意識”はかなり以前になくなったと考えられていたが、じつはまだまだ心の奥底に残っており、周りを見てうらやんだりあせったりすることが多いのである。

 もともと欧米では中流層など存在せず、富裕層か庶民層のどちらかで、ほぼ9割以上が後者に属している。したがって夏休みなら、富裕層は高級リゾートへバカンスに、庶民層でも田舎の親戚や友人の別荘に泊まり込んで、長いバカンスをとる習慣が上から下までできあがっているのだ。

 ただバカンスだからといって、やみくもにお金を使うのではなく、環境のよい田舎で、仕事抜きで普通の生活をおくり、リフレッシュしてくるのである。それがまた、仕事に対する意欲につながっていくというわけだ。

 また毎日の仕事も定時になれば、まっすぐ帰宅して、6時には家族と夕食の団らんを囲むというのが通常だ。もちろん残業は基本的になしで、残業をするには、会社の許可が必要になる。

 ということは、残業でもなく家にまっすぐ帰らない人は、まず「亭主失格で、悪い父親」というレッテルを貼られるのだ。日本人ならあり得ないことだが、あのちょいワルのイタリア人モデルのジローラモ氏も、「日本のサラリーマンはうらやましい。夕食までに帰れなくても電話1本しなくていいなんて。イタリア人がそんなことをしたら、1回で大げんか、2回で離婚ですよ……」とこぼしている。(次ページへ続く)


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