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中卒から個人資産100億円の“超富豪”に
曰く「会社とは経営するものではなく、売却するもの」

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 「認められるには金持ちになるしかない!」。日本人蔑視に苦しみながら、そう決意した中卒“熱血”ビジネスマンの前人未踏のアメリカンドリームストーリーをお届けする。

米国で一番成功した日本人ビジネスマンは誰?

 アメリカンドリームの国では、日本人が成功することはきわめて困難だ。いまだに「ジャップ」とか「イエローモンキー」とか、差別的に扱いを受けることもマレではない。

 事実、アメリカンドリームを思い描いて渡米して成功した人物は、おそらく野茂やイチローなど野球選手以外には思い当たらない。ブランド名なら「ソニー」とか「ホンダ」といったところだろうか。ビジネスで一旗揚げようと、意気揚々に乗り込んだ人間も星の数ほどいるだろうが、ほとんど成功していない。

 そんな中で、唯一成功したといえるのが大根田勝美氏だろう。中卒の臨時社員からたたき上げて、大手企業の米国駐在セールスマンとして大きな実績を上げて独立。そして、いまや米国・ニューヨークからほど近いニュージャージー州の高級住宅地に、2,000坪の土地を持つ超富豪に成り上がった。

 1984年にその土地を約33万ドルで購入し、純和風の庭園と邸宅を完成させて、「米国で日本庭園を造るのは私の夢、誇りでもありました」と語っている。彼の個人資産は100億円以上で、米国で一番成功した日本人ビジネスマンともいわれている。そのイバラの道を紹介していこう。

中卒の臨時社員から花形のニューヨーク駐在員へ

 1937年に東京で生まれた彼は、戦時中に長野県伊那市へ疎開。地元の中学を卒業、オリンパス工業(現・オリンパス)の臨時職員になる。伊那のカメラ工場の組み立て工をしながら、定時制高校に通っていたが、胃炎になり、胃の3分2を切り取ることになる。

 その後東京に転勤になり、カメラと顕微鏡の修理部門に配属される。ある時、輸出部の大卒社員が海外研修生を連れて現場見学にやってきた(『朝日新聞 グローブ』2010年2月より)。

『中卒の組立工、NYの億万長者になる。』
大根田勝美著・角川書店

 黙々と作業を続ける工員を尻目に、これ見よがしに研修生と英語で雑談して大声で笑って去っていった。その場にいた工員の大根田は、「何だ、偉そうに。いまに見ていろ」と心に誓った。

 「大卒という肩書きだけで、不遜に振る舞う社員に負けてたまるか!」と一念発起して、なけなしの貯金をはたき、高額な英語の教材を購入。独学で学んでいく。毎朝、1時間英語の教材を聴いて、ノートに書き写して通勤途中に暗記する。社員寮の天井や壁にも英語の慣用句を書いて貼って、必死にマスターしようと頑張った。

 「当時は大卒がほぼ皆無でした。99%は中卒といってもいいと思います。今の人に話をすると信じられないかもしれませんが、大学を出たというだけで、女性がその大卒男性を取り合うような時代だったんですよ。その上、当時の日本の社会には出世の方程式がありました。それは学歴、年齢、性別です。でも、もしも、自分がお金のある家に生まれていたら、裕次郎さん(俳優の故・石原裕次郎さん)のように遊んでいたかもしれませんね」(『YUCASEE MEDIA』2010年2月16日付より)

 こう語る大根田氏だが、血のにじむような努力をして逆境を跳ね返し、ついに大卒社員もうらやむ花形のニューヨーク駐在員の座をつかんだのだった。(次ページへ続く)


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