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被災地企業の復興支援、増加するABL融資とは
衣料品や冷凍冷蔵庫を担保に資金獲得

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2012/09/16 14:00

 東日本大震災の被災地を中心に、動産や債権を担保にした融資「ABL(Asset Based Lending/動産・債権担保融資)」が拡大している。ABLは借り手の事業活動そのものに着目し、これまで融資の担保にはならなかった農畜産物や企業が保有する設備、売掛金などを担保に資金を貸し出す仕組み。被災地では、通常の融資で担保となる土地や建物の価値が大きく下落していることから、ABLが広がっているようだ。

ABLの概念図

 宮城県仙台市に本店を置く七十七銀行は、6月に衣料品を担保に融資を行ったことを発表した。融資を受けたのは、仙台発のオリジナルのメンズカジュアルブランドを中心に全国の百貨店等のコーナー・ショップ約30店舗を展開する衣料品販売業者。店舗網の拡大を進めるなか、より多くの在庫を確保するための運転資金が必要になり、衣料品を担保とした融資を受けた。

 さらに、同銀行は、建設基礎工事で用いられる建設機械を多数保有する土木建設機械リース業者に対し、建設機械を担保に融資を実行したことを、8月に発表した。融資を受けた土木建設機械リース業者は、獲得した資金で新たな建設機械を取得し、事業の拡大を図る。

 また、宮城県石巻市に本店を置く石巻信用金庫は、震災で被災した水産物卸売小売業に対し、復興にかかる運転資金として、冷凍冷蔵庫等を担保に融資を行った。同金庫は平成21年度からABLを導入しており、その第1号として同年12月、地元新聞社に対し新聞専売所の売掛金を担保にした融資を行っている。同金庫は、ABLを震災復興にかかる金融支援の一つと位置付けており、震災被害が深刻であった水産加工業への取り組みを強化している。

 宮城県仙台市に本店を置く仙台銀行も、ABLに力を入れている。同銀行は、これまでも米や食肉加工品、砕石や砕砂などの環境リサイクル製品のほか、卵や菓子などを担保に融資を行っている。さらに、震災後には畜産事業者に対してABLを活用し、必要な資金の融資を行った。

 一方、今年5月には、第1回目の「動産評価アドバイザー認定試験」が行われ、64名が合格した。合格者には、NPO法人日本動産鑑定より「動産評価アドバイザー」の称号が授与され、動産評価の専門家として活躍が期待されている。担保の内容に依存しない融資「ABL」は、震災をきっかけに全国的に拡大していくのかもしれない。

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