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急拡大の地熱バイナリー発電市場に注目
2020年市場規模は4,270億円、各社続々参入

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2012/10/27 16:00

 沸点の低い媒体を利用して発電するバイナリー発電。初期投資も低く環境にもやさしいため、注目を集めている。

 富士経済が6月に発表したレポートによると、地熱バイナリー発電の2011年の市場規模は140億円だが、2020年には4,270億円に、2030年には4,305億円まで急拡大すると予想されている。

 一般的な地熱発電は、温度が150℃以上の地下からの蒸気でタービンを回して発電する。一方で、地熱バイナリー発電はペンタン・イソブタンなど、水より沸点の低い媒体を利用して蒸気をつくりタービンを回して発電するため、温度の低い蒸気を利用した発電が可能になる。また、地熱バイナリー発電は大掛かりな掘削を必要としないため、環境負荷が低く、初期投資を抑えられるなどのメリットもある。

 地熱バイナリー発電は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の対象になることから、ここにきて各メーカーが市場参入を決めている。

「マイクロバイナリーMB70H」

 神戸製鋼は10日、長崎県雲仙市小浜温泉へ、同社が平成23年9月に開発した小型バイナリー発電機「マイクロバイナリーMB70H(1機2,500万円)」を3機納入すると発表した。小浜温泉では、セ氏約105度の高温水が日量1万5,000トン湧き出しているものの、約70%が有効に利用されずに海に排出されている。この未利用温排水を利用した発電システムの実証試験を行い、事業性や二酸化炭素削減効果などを検証するという。温泉源に全く影響を与えないことや、小型で高効率、低価格であることなどが評価されたようだ。

 またIHIは9月19日、同社が開発していたパッケージタイプ小型バイナリー発電装置「ヒートリカバリー“HRシリーズ”」が、セ氏70度~90度程度の温水から所定通りの発電が行えることが確認できたため、商品化への目途が立ったと発表した。「ヒートリカバリー“HRシリーズ”」は20キロワットという小型タイプで、これまで発電に必要な温水量に満たないために排出されていたセ氏100度未満の温水を利用できる装置。2013年からの販売開始を目指すという。

 一方、九州電力の八丁原発電所では、2,000キロワット級の地熱バイナリー発電システムが稼動している。こうしたノウハウを生かし、九州電力グループの西日本環境エネルギー株式会社は、計画から導入まで一貫してサポートする体制を整えている。

 再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の導入で、発電事業に参入する企業が増えている。これまで未利用だった温排水を有効活用できるバイナリー発電は、これからますます注目を集めそうだ。

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