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水ビジネスで世界に挑む日本の自治体
世界に誇れる日本の水道技術を売り込め

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2012/11/18 12:00

 21世紀はアジアの時代といわれ、中国、インドに始まり、インドネシア、ベトナムなどの各国が急速な発展を遂げている。しかしこの急速な発展のスピードに追いつけず、各国が頭を悩ませるのがインフラ設備だ。とりわけ健康的な生活や産業に欠かせない「水道」は、アジアのみならず、世界の発展途上国で共通の問題となっている。そのため市場規模は大きく、一説には2025年までに約86兆円といわれている。

 そんな中、日本では地方自治体による水道事業の世界への売り込みが活発化している。現在、目立っているのが北九州市と東京都だ。

 北九州市では、かつて深刻化した公害問題を解決したノウハウをアジア地域でも活かしたいと、古くから海外での水道ビジネスには積極的であり、アジア各国で水道事業の技術的な支援を行ってきた。そして2010年、官民一体となった「北九州市海外水ビジネス推進協議会」を発足。同年には、水の再利用を研究する国の機関である「ウォータープラザ」の誘致にも成功するなど、水のエキスパートという地位確立を目指し、着実にステップアップを図ってきた。

 そんな努力が、ついに実を結んだ。2011年夏にはカンボジア東部のモンドルキリ州の浄水場建設事業の設計と施工管理を約3,000万円で受注に成功。続いて年末には、同じくカンボジアの主要9都市の水道基本計画への技術コンサルタント契約が結ばれた。この技術コンサルタント契約では、300億円規模の事業費関連情報を得ることもでき、北九州市海外水ビジネス推進協議会に加盟する企業への工事受注のチャンスも期待ができるそうだ。

 一方、東京都も水道事業に関するノウハウを持っている。東京都の場合、毎日安定して水を供給する対象者は約1,300万人。これはひとつの地域としては世界最大規模といわれる。さらに先進国の主要都市でも20%前後はある漏水率(水が漏れる割合)は僅か3.1%、また水道料金徴収率はほぼ100%。つまり東京都が運営する水道事業とは、設計、メンテナンスから料金の回収にいたるまで、その能力は世界でもトップレベルといっても決して過言ではない。

 東京都でも2010年には「海外事業調査研究会」、今年に入り第三セクター方式で「東京水道サービス」を立ち上げた。そして10月には朗報が舞い込む。タイの首都であるバンコクにおける漏水対策事業を、受注額3,000万円で契約締結に漕ぎ着けた。またベトナムでも、2020年を目途にハノイの浄水場建設受注を視野に入れ、現地に合弁会社を設立する計画も進められている。

 技術は超一流でも、売り込み交渉となると負けることが多い日本。ぜひとも水ビジネスでは、世界をリードしたいところだ。

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