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温浴業界のトップ企業「極楽湯」の戦略
海外進出から国内観光地の活性化まで

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2013/03/30 16:00

 スーパー銭湯業界で、興味深い新たな展開が次々と起きている。

 まずは「人と自然を大切に想い、人の心と体を癒すことにより、社会に貢献する」の経営理念のもと、日本全国で直営店舗22、フランチャイズ店舗15の計37のスーパー銭湯「極楽湯」を運営する温浴業界のトップ企業である「極楽湯(本社:東京都千代田区)」。

 極楽湯の2013年3月期の連結業績(累計/2012年4月1日~12月31日)は、前年同期の72億3,400万円から0.4%増の72億6,300万円だった。この数字をさらに伸ばすためには、新規店舗の出店が欠かせないが、競合他社のひしめく今日の状況下では、収益が見込める場所は簡単には見つからない。そこで極楽湯が注目したのが海外、そして大都市近郊の観光地だ。

「極楽湯 碧雲温泉館」(上海)

 極楽湯初の海外店舗である中国上海店は、今年2月に中国の大型連休となる春節(旧正月)の時期に開業した。日本の入浴文化の体験スペースとなった同店は、炭酸風呂、露天風呂や五右衛門風呂、岩盤浴施設に加え、韓国のサウナ・汗蒸幕(ハンジュンマク)といった多彩なお風呂と飲食施設が、日本で展開する通常店舗の約6倍の床面積を有する空間につくられた。また中国ではイスに座って体を洗わないことを考慮して、立ったままで体を流せる設備をメインにするなど、様々な気配りが随所にほどこされている。ただし価格は大人1人が128元(約1,946円)と、やや高めの設定となっている。

 一方、国内の都市近郊の観光地で出店が決まったのは、ミシュランガイドでも紹介され、海外からの観光客にも人気となっている高尾山(東京都八王子市)だ。現在、京王高尾線の高尾山口駅に隣接する絶好のロケーションにある建設予定地では、2014年夏の開業を目指し、温泉の掘削が進められている。施設完成時の規模は地上2階建て、総面積は約1万90平方メートル。施設内には各種風呂の他に、リラクゼーションコーナーや飲食店舗も併設の予定。なお同店はフランチャイズ店舗となり、昨年11月には運営に携わる京王電鉄(本社:東京都多摩市)と契約が結ばれた。

 際立つ個性が出しにくいといわれる温浴業界。日本の入浴文化が海外市場に受け入れられるか、そして新たな国内観光地の活性化策になるか、今後の動向が注目される。

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