MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

「ハラル」なしでは門前払いのイスラム圏
日本の中小企業が認証を得て、ビジネス拡大中

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2013/04/14 16:00

 新たなるビジネスチャンスの地と称され、いま世界から熱い視線が注がれるイスラム圏諸国。中東はもちろん、アジアでも経済発展の著しいインドネシアやマレーシアなどが含まれ、対象は世界人口の約3割を占める20億人、規模にして60兆円となる市場を形成している。

 この巨大なイスラム圏諸国市場において、暮らしに密着し、誰もが対象となる「食」の分野はとりわけ注目を集めている。しかしビジネスを始めるにあたり、避けて通れないのが「ハラル」なる認定制度だ。そのため日本でも、ハラル認証を巡る動きが活発化している。

 アラビア語で「許された」との意味を持つ「ハラル」とは、イスラム圏諸国で商品販売やサービスを始める際に、文字通り許されるとお墨付きとなる制度だ。日本風にいえば、さまざまな安全基準にイスラム教の戒律に合致しているか否を加味したものといえよう。

 日本では、味の素やキユーピーといった大手企業が厳しい条件をクリアしてハラル認証を得ているが、このところ健闘中なのが地方の中小企業だ。例えば、使用する器具や方法にも細かい条件がある精肉については、2010年に食品加工のグローバルフィールド(本社:青森県八戸市)が、地元の青森県農産物生産組合が協同で商品化した鶏肉「青森シャモロック」のハラル認証を獲得した。現時点では「ハラールチキン(ミンチ/3,800円・冷凍1パック1キロ)」などを国内在住のイスラム教徒向けに展開中だ。将来的には、薫製など加工品の輸出にも乗り出すという。

 また意外なところでは、日本の伝統食材である味噌や醤油を取扱う企業も積極的だ。これは諸外国と同様、今後はイスラム圏諸国でも「ヘルシー」だと人気が高まるであろう日本食の消費拡大を見越したもので、2011年にハラル認証を受けた原田醤油店(佐賀県西松浦郡)は、自社商品である「濃口醤油」の販路拡大をイスラム圏諸国に見いだす。

 味噌では、2012年にひかり味噌(本社:長野県諏訪郡)が取得。今年1月からは、マレーシア向けの商品出荷も始まった。伝統食材以外でも、カレー粉やスパイス商品のハラル認証を受けた井上スパイス工業(本社:埼玉県上尾市)が、目下輸出向け新商品の開発に取組んでいる。

 輸出とは逆に、イスラム圏諸国からの観光客や留学生の受入れ強化の一貫として、国内の飲食店や大学の食堂メニューにも増えつつあるハラル認証の味たち。アベノミクスで景気がようやく上向く気配の食関連の企業にあって、ハラルは今後の業績や浮沈の決め手となりかねない重要なキーワードとなりそうだ。

【関連記事】
おしゃれなふんどし「しゃれふん」で世界を目指す 広告・SEO一切ナシで目立つ方法とは?
「香川を代表する讃岐うどんの老舗として、安売りはできない」 ネットショップ開設19年、うどん本陣山田家の今後の戦略
「10分完売のチョコレートビールをきっかけにネットショップに力を マニア向けから一般の人にもわかりやすく」
食品と電報の掛け合わせアイデア商品『マシュマロ電報』が大ヒット!軌道に乗るまでわずか3ヵ月の秘訣とは
日本の一級品を世界へ!グローバルECサイト「MONOHUB」、たった3人の起業物語

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

All contents copyright © 2007-2020 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5