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国際リニアコライダー、誘致活動本格化
経済効果は45兆円とも

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2013/06/23 12:00

 誘致合戦は頭ひとつリードとも。素粒子物理学の新しい実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」の建設地に、選ばれるかニッポン。

 いま宇宙の始まりの解明など、素粒子物理学の新たなる歴史を切り開く実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」の新設プロジェクトが進められている。日本も有力な建設候補地のひとつだ。

 ILCとは、万物に重さ(質量)を与える元となる「ヒッグス粒子」の研究に使われる加速器だ。ヒッグス粒子は、これまで唯一未確認の素粒子であり、ようやく昨年7月にヨーロッパ合同原子核研究所(CERN)の持つ1周が27キロもある円形の実験施設「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」でヒッグス粒子“らしき”ものが発見された。しかし、現状のLHCでは、詳細を調べるには難があり、今後の研究には新しい加速器としてILCが不可欠となっている。

 ILCは直線型加速器(リニアコライダー)で、こちらも巨大だ。建設計画では、全長30キロにおよぶ地下トンネル施設で、東海道新幹線に例えれば、東京駅から新横浜駅を少し過ぎた長さに相当する。このトンネル内で電子と陽電子を光速で衝突させ、宇宙誕生直後の状況を再現。ヒッグス粒子他、これまでの謎を解き明かしてゆく。

 建設は2015年以降となり、完成のメドは2025年。その後20年の運用が予定されており、建設費用は8,300億円。このうち誘致国が半分を負担する。誘致国にとっては4,000億円以上となる出費は大きい。しかしILCの誘致に成功すれば、世界から研究にかかわる人材や企業が集まることになり、科学・産業分野の発展はもちろんのこと、経済的な恩恵をもたらすなど、その“見返り”は計り知れない。

 日本の候補地は、九州の背振山地(福岡県、佐賀県)と、北上山地南部(岩手県、宮城県)の2カ所あり、それぞれが地元における経済効果を発表している。九州でILCの建設が始まれば、完成までに1兆円。そして運用期間20年間は、毎年600億円の経済効果を生むそうだ。一方、東北に決まれば、30年間で4兆円以上と試算されている。さらに公益財団法人 日本生産性本部 生産性総合研究センターからは、30年間で日本にもたらす経済効果は、約45兆円との発表もあった。

 日本にとってILCの誘致におけるライバル国は、アメリカやロシア、スイスなどだが、いまのところ政府が誘致に対して積極的な姿勢を見せているのは日本だけだ。また、世界各国の科学者からも、日本を推す声は多く、現段階では追い風は日本に吹いている。

 建設地の正式な決定は、再来年となるILCだが、日本では今夏から誘致活動が本格的に動きだす。7月には国内候補地を一本化し、その後は建設費用の捻出方法などが議論される予定だ。

 もしかすると2020年代の日本は、スポーツの祭典の開催を皮切りに、素粒子物理学の実験施設の稼働で、大いに盛り上がりそうだ。

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