MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

千葉・印西の希少動植物の楽園「奇跡の原っぱ」
造成工事再開で生存に赤信号

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2013/07/07 12:00

 貴重な動植物の生態系を残すべきか否か。宅地開発工事の再開を巡り、千葉県で白熱した議論が続いている。

 千葉県で偶然生まれた希少動植物の楽園がピンチとなっている。千葉県北西部に位置する印西(いんざい)市周辺は、千葉ニュータウン構想のもと、1966年から人口34万人を目標に、大規模な宅地開発が行われてきた地域だ。しかし不況など社会情勢の変化に伴い、現時点で人口は9万人。宅地造成工事も広範囲で中断したままとなり、開発事業自体も2014年3月には終了期限を迎える。

 長い工事中断の間、宅地用造成地の住人となったのは、皮肉にも開発工事で生態系を破壊された動物や植物だった。人が立ち入らない上に、草刈りなど適度な維持・管理作業が行われるこれらの土地は、動植物にとって絶好の住環境となった。

 特に北総線「印旛牧の原駅」前に広がる約50ヘクタール(東京ドーム11個分)の地域には、ホンドキツネなど環境省や千葉県が指定する絶滅危惧種が、合計130種以上生息していることが確認され、別名「奇跡の原っぱ」とまで称されるようになった。

 ところが開発事業の終了期限を前に、工事が再開された。開発者である都市再生機構(UR/本社:神奈川県横浜市)は、会計検査院からの指摘もあり、売れるメドより計画優先、土地を売るための前提条件となる宅地としての整備は完了させたい意向だ。

 そこで、工事再開に反対する声が広がり、署名活動も行われている。にわかに注目されているのが「ナショナル・トラスト(国民環境基金)」だ。これはイギリス発祥の、自然保護のために趣旨に賛同する者がお金を出し合い、対象となる土地を購入して恒久的に管理しようとする活動で、日本で対象となった有名な土地に『トトロの森』がある。

 このトトロの森は、1990年代にスタートした「公益財団法人 トトロのふるさと基金(事務所:埼玉県所沢市)」によるナショナル・トラスト運動だ。場所は東京都と埼玉県に広がる面積が約3500ヘクタール(東京ドーム749個分)におよぶ狭山丘陵。あの「となりのトトロ」の舞台のモデルともいわれ、日本らしい里山の景観が残る地域だ。そんな狭山丘陵も、1970年頃から無秩序な開発が行われるようになり、これに待ったをかけたのが同基金だった。

 現在までに集まった基金は、約4億1,700万円(2013年3月末現在)。そして約2億9,500万円(2013年6月現在)が、土地の購入費に充てられた。これまでに取得した土地の総面積は、約3.6ヘクタール。東京ドームの1個分にも達していない。やはり都心にも近いこともあり、土地の価格はかなりの値段のようだ。

 千葉県印西市の原っぱ周辺では、樹木の伐採などの造成工事が急ピッチで進んでいる。再び原っぱに奇跡は起きるのか。事業終了までに時間は残されていない。

【関連記事】
おしゃれなふんどし「しゃれふん」で世界を目指す 広告・SEO一切ナシで目立つ方法とは?
「香川を代表する讃岐うどんの老舗として、安売りはできない」 ネットショップ開設19年、うどん本陣山田家の今後の戦略
「10分完売のチョコレートビールをきっかけにネットショップに力を マニア向けから一般の人にもわかりやすく」
食品と電報の掛け合わせアイデア商品『マシュマロ電報』が大ヒット!軌道に乗るまでわずか3ヵ月の秘訣とは
日本の一級品を世界へ!グローバルECサイト「MONOHUB」、たった3人の起業物語

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

All contents copyright © 2007-2019 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5