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「金利を上げる」と「金利が上がってしまう」 株価に与える影響の違いとは

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2013/08/09 08:00

 「金利が上がると株価が下がる」のは株式投資のお約束のようなもので、数年のスパンで見れば多くの場合に当てはまります。しかし、金融当局が金利を上げる場合と、政策の失敗で金利が上がってしまう場合では影響が異なりそうです。

「金利を上げる」が株価に与える影響

 日本のようにデフレが続いた国では忘れられがちですが、中央銀行は様々な手段を使って金利を上下させて政策目標を達成しようとします。日銀の場合は「物価の安定」だけが日銀法で定められた目的なので、インフレになりそうなら資金供給を減らしたり、政策金利を上げたりして景気が過熱するのを防いできました。結果としてアベクロミクスが始まるまで、物価が上がらないデフレが長くつづきました。

 一方、アメリカの中央銀行は「雇用の最大化」と「物価の安定」を目的としているので、景気が過熱しそうなら資金供給を絞って金利が上がるようにし、景気が悪ければ資金供給を増やして金利を下げて景気を刺激しようとします。金利が下がり過ぎるとマイナス金利(お金を預けると手数料だけ取られるような感じです)にでもしない限り、こういった政策に意味はないという見方もありますが、「金利はお金の需給を表す“値段”」という大筋のところは変わらないようです。

 つまり、お金が余れば金利が下がり、お金が足りなければ金利は上がるという関係です。これを上手に管理すれば、過去にグリーンスパンFRB議長が「マエストロ」といわれたような状況になります。

 この状況にある限り、政府が金利をコントロールできているといえます。この場合でも、政策金利が上がると数ヶ月以内には株価がピークをつけ、銀行などからの融資に依存する割合が大きい不動産価格も下がり始めることになります。

 もっとも、日本のバブル退治のように「あれ効かないな……。もっと上げてみよう……。まだだめか、もっと上げてやる!」などと中央銀行が暴走してしまうと、金利を上げ過ぎて経済がクラッシュしてしまうこともあります。

「金利が上がってしまう」が株価に与える影響

 過去に経済が破綻しハイパーインフレになった南米各国や、アジア危機当時の韓国や東南アジアの国々のように通貨の信任がなくなって輸入物価が急騰し、それにつれて金利もコントロールできなくなる状況は、「金利を上げるのではなく、金利が上がってしまう」状況です。

 直近では、ギリシャやイタリアなどで国債金利が急騰してしまった現象も、日本の金融危機やリーマンショックの際に、銀行間金利が上昇し過ぎて取引が成立しない状況になった事例も金利が暴走したものといえます。

 つまり、政府の意図しない方向に市場が動いてしまっている状況で、ハンドルが効かなくなった車を運転しているような危険な状況と言えます。(次ページへ続く)


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