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映画『風立ちぬ』で、問い合わせ殺到
ナゾのお菓子、シベリアとは

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2013/09/22 16:00

 考案者も、ネーミングの由来も一切不明。羊羹×カステラ、100年近い歴史を持つお菓子「シベリア」が、いまちょっとしたブームだ。

 小説や映画に登場した、食に関するシーンが話題となる時がある。この夏にヒットしたアニメ映画『風立ちぬ(監督・宮崎駿)』でも、ある懐かしいお菓子が注目され、売れている。

 お菓子の名称は「シベリア」。スライスしたカステラの上に、溶けた状態の羊かんを流し込み、その上に再びカステラをのせて作られる。シベリアといってもロシアの銘菓ではなく、日本生まれの一品だ。誕生は明治の末とも大正初期ともいわれ、かつては関東を中心に広く東日本一帯で食べられており、古い文献でもたびたび紹介されている人気の高いお菓子だった。

 だがこのシベリアは、分からないことが多いお菓子でもある。まず考案者が不明だ。さらに肝心の名称であるシベリアについても、由来は諸説あってはっきりしない。平成となったいまでは、昔ながらの一部のファンの間で楽しまれるお菓子としてほそぼそと存続するものだった。しかし、『風立ちぬ』公開以降は、事態が一変した。時ならぬシベリアブームとなり、製造に携わる店舗やメーカーには、問い合わせや注文がひっきりなしだ。

 神奈川県横浜市の老舗パン屋「コテイベーカリー」では、創業した1916年からシベリアを作り続けている。しっとりとした水ようかんとふんわりと焼き上がったカステラとの相性は抜群で、同店では名物のひとつでもある。価格は1個330円。

 大手パンメーカーである「山崎製パン(本社:東京都千代田区)」が製造する「シベリア デラックス(248円他、4個入1パック)」は、関東一円のスーパーなどで購入が可能だ。ただし、出荷個数は少なめであり、店頭で見つけるには少し運も必要な商品だった。今回のシベリア人気の余波を受け、今後はさらに店頭での発見には苦労しそうだ。

 一方、九州にはシベリアとよく似た「合わせ羊羹」という郷土菓子がある。これは熊本の旧「牛深(うしぶか)市」、現在の天草市で、古くからお茶請けとして親しまれているものだ。例えば地元の「菓子工房 ル・モンド」で作られる商品は、羊かんを和菓子に合わせて焼いたスポンジ生地でサンドイッチのようにはさんでおり、姿形はシベリアと同じだ。価格は735円(5個入1パック)。

 誕生のきっかけは、ネーミングは誰が考えた、そして「合わせ羊羹」との関係はあるのか。秋の夜長に、シベリアをひと口。この謎多きお菓子について、あれこれ思いを巡らすのも面白そうだ。

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