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1名年間30万円、返済義務なしの「多摩未来奨学金」
新たなる地域活性化の“呼び水”となるか

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2013/09/29 16:00

 都心回帰が加速する郊外の大学。一方で去られる地域では、新たなる魅力づくりが始まった。東京多摩地域の奨学金もそのひとつだ。

 一時期、郊外に移転した大学が、再び都心へと戻る動きが見られる。しかし去られる方も、ただ黙って見ているわけではない。

 首都圏や中部・関西地域の大学が、こぞって郊外への移転をはじめたのは1970年代後半だった。年々増加する学生数に手狭になった施設を都市部で拡張するのは、資金面や当時の建築関連の法律などで困難だったためだ。

 移転先となる郊外も大歓迎だった。大学が持つ知的な雰囲気は、地域のイメージアップにつながり、また集まる学生である若者は、町ににぎわいをもたらす。治安面の問題や、学生が増えても税収は期待できないなど反対意見もあったが、そんなマイナスを上回るだけのメリットがあった。大学にとっては、豊かな緑に囲まれた広大なキャンパスで学べるとのうたい文句が、学生募集時の重要なアピール点となり、以降大学施設は郊外へという時代が続く。

 だが2000年代に入ると、今度は逆に大学の都心回帰が始まる。最大の理由はニーズの変化だ。少子化で生徒数が伸び悩む大学にとって、学校は便利な都心がいいとする受験生の意見は無視できない。また法改正や地価下落などで、都心での新校舎建設が可能な条件も整ってきた。

 しかし大学に去られる地域にとっては、やはり痛手だ。そこで、学生に郊外にある大学で学ぶ新たな魅力づくりの創出をと動き出したのが、東京都で大学の都心回帰が進む多摩地域だ。

 多摩地域にある33の大学、短大と9つの行政、そして25の企業・機関が加盟する産官学の連帯組織「公益社団保人 学術・文化・産業ネットワーク多摩(事務局:東京都日野市・明星大学内)」では、今年から返済義務のない給付スタイルで「多摩未来奨学金」制度をスタートさせるという。

 同制度の対象は、加盟する33の大学・短大に学ぶ学生で、各校1名。期間は1年間で、金額は年間1名30万円だ。原資は、企業や自治体からの寄付。また国の援助制度の活用も視野に入れる。奨学金制度と同時進行して、学生と企業の交流も活発化させるなど人的なつながりも深める。

 多摩地域の発展を願い、未知なる若い力への投資となる「多摩未来奨学金」。新しい地域活性化の手法となるか。今後の動向に注目したい。

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