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雇用調整助成金の不正受給、総額106億円
発覚で融資や取引先失う企業も

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2013/12/14 18:00

 雇用調整助成金の不正受給の実態が判明した。総額は107億678万円。政府による厳格な対応と、事業主のモラル向上に期待したい。

 東京商工リサーチは11月29日、「雇用調整助成金」の不正受給に関する調査結果を発表した。

 「雇用調整助成金」は、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、休業や教育訓練、出向など一時的な雇用調整を実施することで従業員の雇用を維持した場合、支払う休業手当などの一部を国が助成する制度のこと。雇用保険の適用事業主であることのほか、最近3カ月間の売上高の月平均が、前年同期に比べて10%以上減少していることなど、一定の条件を満たした企業が対象になる。

 景気が急激に悪化したリーマン・ショック後の2008年12月には、助成金の支給要件が緩和された。しかし、不正受給が後を絶たないことから、厚生労働省は2010年11月以降の申請分について、不正受給企業名を公表している。今回の調査は、厚生労働省が公表した過去の不正受給企業を対象に、東京商工リサーチがデータベースを基に調査・分析した。

 それによると、公表開始の2011年2月から2013年10月までに、雇用調整助成金を不正受給したと公表された企業は570社で、不正受給額の総額は107億678万円だった。不正受給額別にみると、「1,000万円未満」が282社(構成比49.4%)で最も多く、以下、「1,000万円以上5,000万円未満」の189社(同33.1%)、「5,000万円以上1億円未満」の41社(同7.1%)と続き、「1億円以上」も13社(同2.2%)あった。不正が発覚し未然に防止できたのは45社(同7.9%)だった。

 公表された企業数と金額の推移を年度別にみると、2011年度は183社で不正受給額が29億3,962万円、2012年度は273社で不正受給額が51億3,203万円、2013年度(10月まで)は102社で不正受給額が25億5,539万円だった。

 具体的な不正の手口は、厚生労働省がホームページで紹介している。それによると、受注の回復で休業させていた従業員を業務に従事させていたにもかかわらず、引き続き休業しているように偽って申請したケースや、有給休暇を取得した従業員についても休業と偽って申請したケース、実際は通常の業務も行っているにもかかわらず、教育訓練を行っていたと偽って申請していたケースなどがあった。これらの事例の中には、企業名が公表されたことで、銀行からの融資や取引先との取り引きが途絶えたケースもあるという。

 景気を下支えする助成制度も、不正が増えれば制度自体が成り立たなくなる。政府による厳格な対応だけでなく、事業主のモラル向上にも期待したい。

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