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ウォーレン・バフェットやジム・ロジャーズも投資する中国株の現状

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2007/10/01 11:30

近年、投資先として中国が注目されている。欧米の有力な投資銀行やヘッジファンドの多くが投資する13億人を超える巨大な市場をこの連載で解き明かしたいと思う。

中国株が近年注目された理由

 世界中の多くの投資家が中国株に投資している。著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏やジム・ロジャーズ氏は多くの中国企業に投資しており、また、欧米の有力な投資銀行やヘッジファンドの多くも中国株に投資している。日本でも、年々、中国株に投資している人は増加しており、最近では中国株を投資対象とする投資信託も多く存在している。

 なぜ、これほどまでに中国株は世界中の注目を集めているのだろうか。それは中国経済、中国株に夢があるからだろう。確かに現在のパフォーマンスの良さが注目を集めるきっかけとなっているが、現在のパフォーマンスの良さは将来のパフォーマンスを約束するものではなく、過去のものだ。多くの投資家が中国株に投資する理由は中国株の将来に対する期待感であり、日本株にはなくなりかけている夢がそこにあるからだろう。

夢を無くした日本

 日本は世界第2位の名目GDP額を誇り、世界をリードする技術を多く持つ経済強国であることに間違いない。また、個別の企業を見ても、トヨタ自動車、任天堂のような世界的に有名な企業や特殊な分野でトップシェアを誇る企業は多数存在する。それらの企業は今後も更なる成長を遂げていくだろう。

 しかし、日本経済全体で見た場合、そこにビジョンがなく、夢がない。バブル経済崩壊後、各企業は財務内容の健全化を急ぎ、それまでの拡大路線の方向を転換した。それにより、低い経済成長の中でも、企業が生き残れる強い財務体質を手に入れた。そして、長い低迷期を抜けた後で起きたIT景気が日本経済の復活を意味するように見えた。だが、それは短期間で幻のように消えてしまった。

 現在、好調な中国経済の影響を受け、日本経済もそれなりに好調に推移している。でも、日本経済の方向性が見えない。将来、日本経済や社会全体がどのようになりたいのかが見えてこない。それは政治に問題があるのか、経済に問題があるのか、または国民ひとり一人に問題があるのか、どこに問題があるのか分からないが、「美しい国」を作ることで解決できるような問題ではない。国民ひとり一人が日本の社会や経済に対して、また、自分自身に対して自信を持ち、各個人が将来の夢や姿を語れるようにならなければいけない。

夢を持つ中国

 一方で、中国は将来のビジョンを持っている。それは、大中華圏の復興である。中国は6千年以上の歴史を持ち、その多くの期間でアジアだけでなく、世界の中心を担ってきた。しかし、アヘン戦争以後は欧米諸国や日本の侵略を受け、中華人民共和国建国以降も過去の栄光からはほど遠い状況におかれていた。

 ソビエト連邦崩壊以後、世界は米国中心で動いている。軍事面、経済・金融面、外交面において、米国が世界をリードしており、米国基準が世界基準となっている。その米国による一極集中を打破したいのが中国であり、米国以上の強国となる夢を中国は持っている。

カギを握る経済力

 現在、中国が強国となるために、一番遅れているのが経済面である。20世紀前半以前のように軍事面だけでは強国とはなれない。外交面での努力や経済的つながりを通じて、同盟国や自国の意見に賛同してくれる国を作ることが大切である。中国の場合もASEANを中心としたアジア地域の各国やアフリカ諸国への外交努力を行っている。近年、日本の国連常任理事国入りがアフリカ諸国の反対で阻止されたことやアフリカでの油田開発などがその現われとなっている。

 また、経済的な繋がりを通して周辺国などへの影響力拡大も図っているが、アジア諸国に対しては日本の影響力が大きい。中国がアジアの中心となるためには、中国は日本以上の経済力をつける必要がある。さらに、中国基準を世界基準とするためには、米国以上の経済力を身につける必要がある。

 そのため、近年、中国は経済政策に重点をおいてきた。その結果として、06年に名目GDP額で米国・日本・ドイツに次いで世界第4位となり、03年から4期連続で二桁の実質GDP成長率を達成した。07年1-6月期の実質GDP成長率も11.5%と高い数字を記録し、通期でも10%を超えることが確実視されている。

中国と先進国との実質GDP成長率の比較
出所:中国国家統計局、内閣府「海外経済データ」
IMF「World Economic Outlook」より。©内藤証券

 BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の中で比較しても、その成長性は高く、安定していることが見て取れる。また、06年の貿易総額は世界第3位となり、さらに、07年6月末時点で1兆3326億米ドルの外貨準備高を保有し、世界第1位となっている。

中国とBRICsとの実質GDP成長率の比較
出所:中国国家統計局、内閣府「海外経済データ」
IMF「World Economic Outlook」(©内藤証券)

中国の未来

 では、この経済成長は持続可能なのだろうか。


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著者プロフィール

  • 有井 誠(アリイ マコト)

    内藤証券 中国部 アナリスト。社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員。学生時代から、中国、タイ、インド、ベトナム、ラオス等、東南アジアを中心に長期の旅行を繰り返す。今までに訪れた国は10カ国以上。現地で民家に泊めてもらうことも多くあり、観光地では見ることの出来ない一般庶民の生活を肌で感じた。今、当時の貴重な経験が役立ち、また、懐かしくも思う。現在、内藤証券中国部アナリストとしてレポート等を作成。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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