MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

3年以内に株価は天井? 荒れ相場に備える「新・分散投資」3つのシナリオ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2014/02/12 08:00

 最近、分散投資が効かないと言われています。一方、3年以内に株価は天井をつけそうな予感。そんな時代の「新・分散投資」の考えかたとは?

 「日本株だけでなく、欧米や新興国の株式、金やプラチナなどのコモディティに分散投資することによって、リスク(標準偏差)を下げつつリターンを追求することができる」という考えかたは、投資理論の基本と考えられています。しかし、近年の株式相場の暴落局面においては分散投資がほとんど役に立たなかったと多くの市場参加者が感じています。

 今年で、前回の株高のピークであった2007年から早くも7年です。7年から10年程度で大相場・大暴落が来るという株式相場の経験則が今回も当てはまるのであれば、2014年から2017年のいつ株価が天井をつけても不思議ではありません。そこで、これからの相場シナリオに応じた「実践的な分散投資」を考えてみましょう。

 まずは論より証拠で、2004年から2014年1月までの期間の月間騰落率で、日本株と先進国株(米国、ドイツ)、新興国(香港、中国、インド、トルコ、韓国)、コモディティ(金、プラチナ、原油、銅)の相関の推移を調べてみました。

TOPIXと外国株・コモディティの相関係数の推移
TOPIXと外国株・コモディティの相関係数の推移
日本株はTOPIX、米国株はS&P500、ドイツ株はDAX、香港株はハンセン指数、中国本土株はハンセン中国企業株(H株)指数、インド株はS&P CNX NIFTY指数、トルコはイスタンブール100種指数、 韓国はKOSPI200、金とプラチナはロイター業者間価格、原油はWTI原油、 銅はLME先物を用い、月終値を円換算して騰落率を算出(出所:ロイター、eワラント証券)

2004年~2006年:長期上昇相場は相関が低い

 この時期は、日本では銀行の不良債権問題がようやく解決し、しっかりといった地合いでした。2005年夏に郵政民営化をテーマにした衆議院選挙で小泉自民党が大勝した後には、日本株が急回復しました。世界中でBRICsという概念が大流行し、新興国の目覚しい経済発展が注目されていました。

 これを受け、新興国株のみならず、原油、金、プラチナ、銅などのコモディティ相場も堅調な展開でした。世界的な長期上昇相場といえるこの時期は、日本株と円換算した外国株、各種コモディティとの相関が低く、特に原油、銅、プラチナ、中国本土株、香港株が日本株との相関が低く、効果的な分散投資の対象となっていました。

2007年~2009年:天井からクラッシュへの荒れ相場。相関急上昇で分散効果激減

 米国の不動産価格は2006年にピークをつけ、2007年にはサブプライムバブルが市場の懸念材料になり各国の株価は天井をつけました。2007年夏のパリバショック、2008年春のベアスターンズ救済で米国経済はソフトランディングするかとも思われましたが、秋にはリーマン・ブラザースが破綻し、世界恐慌の一歩手前ともいえる危機的な状況となりました

 クラッシュ時には、“すべての資産価格が下落する”という状況で、金を除いて全ての資産間の相関が急上昇しています(なお、2008年10月には金を含めた全資産が同時に暴落しています)。各国株式が総崩れの中、相対的に立ち直りが早く“マシ”であったのが金で、唯一相関係数が低下した資産でした。その意味では、金への分散投資は危機的な状況ではそれなりに意味があったといえます。

2010年~2012年:回復期にも相関は引き続き高水準

 サブプライム・バブルが崩壊して影響が大きかった先進国に対して、大規模な財政出動を実施した中国や、経済成長率が高い新興国経済は大丈夫という「デカップリング理論」を欧米のエコノミストが主張していました。しかし、ギリシャ危機がユーロ周辺国に拡大し、先進国株と新興国株の相関は高いままでした。

 2012年ごろになると米株が堅調な一方、戻りが良かったインド株、香港株などももたつきました。一方、日本株は大きく出遅れていたものの、2012年末に自民党が政権を奪還するとアベノミクスで急騰し始めました。相関係数で見ると、米国株、ドイツ株との日本株の相関が極めて高い一方、日本株と金価格(円建)の相関はさらに低下し、逆相関となりました。

2013年~2014年1月:混乱の始まりか、一時的な調整か

 1年で5割超もの上昇となった日本株をはじめとして先進国株が堅調な一方、中国株に代表される新興国株は冴えない展開でした。米国の量的緩和縮小のために投資資金が引き上げられた結果、外貨準備が少なく外貨建て債務が多いアルゼンチン、経常赤字の新興国である“脆弱な5カ国”(トルコ、インド、ブラジル、インドネシア、南アフリカ)は、通貨が暴落しました。

 この影響で、2014年1月には世界各国の株式市場がまたもや同時に下げました。日本株と各国株式間の相関が上昇しましたが、例外的に、韓国株とコモディティ相場が先んじて軟調であったため、日本株との相関は大きく下がっています。(次ページヘ続く)


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

All contents copyright © 2007-2021 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5