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円安で自動車各社はどうなった? 王者トヨタほか主要6社の経営状況をチェック!

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 円安の恩恵も加わって当面の業績拡大が確実視されている自動車各社だが、これまで順風ばかりでなかったのも事実。主要指標について、猛烈な逆風が吹き荒れたリーマンショック前後からの推移を見ておこう。

5年で原価を2兆も削減! 王者トヨタの経営状況をチェック

 自動車メーカーは、車1台当たりにつきどれくらいのコストをかけ、それをいくらで売っているのだろうか?

 自動車会社にとって、車両の販売を補完するために展開している、リースやローンといった金融事業の役割は大きい。たとえば、トヨタ自動車(7203)の場合、全体の売上高に占める金融事業の割合は5%程度にすぎないが、年度によっては自動車事業の利益を上回ることもあるほどだ。一部に「トヨタは自動車会社ではなく、金融会社だ」という指摘があるのもそのためである。

 また、“トヨタ銀行”という異名から、同社は無借金というイメージが強いが、実は、10兆円を上回る有利子負債を抱える。ただし、その大部分は金融事業にともなう借金だ。

 そのトヨタは、金融部門と自動車等部門を区分した決算書を作成している。自動車等部門の売上高や売上原価、それに売上台数から単純計算したものを表にまとめてみた。

トヨタ自動車の主要指標の推移

 中でも注目したいのは、1台当たりの平均原価だ。07年度229万円、08年度230万円、09年度220万円、10年度218万円、11年度214万円、12年度203万円という推移である。

 この1台当たりの平均原価の引き下げこそ、収益体質の強化に向けたトヨタの取組みが端的に示されているといっていい。

 トヨタが、1年間に891万3,939台を販売し、グループ売上高26兆2892億円、純利益1兆7178億円と、いずれも過去最高を記録したのは07年度のこと。だが、一転して08年度には赤字転落。08年9月に起こった投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻をきっかけに、世界同時不況に見舞われたからである。いわゆる、リーマンショックだ。09年度、10年度、11年度もその後遺症は残り、ようやく上向きに転じ始めたのは12年度になってからのことである。

 リーマンショックを受け、トヨタは徹底した原価低減に取組んだことは周知のこと。事実、07年度の自動車部門等の原価総額は20兆円強。それに対し、12年度はおよそ18兆円強である。売上台数が891万台(07年度)と887万台(12年度)というように、ほぼ同じであるにかかわらず、原価総額は2兆4,000億円も減らしてきたのだ。

 実際に表の販売価格と原価の差を見てみると、12年度は33万円。07年度の49万円には及ばないが、08年度から11年度にかけては23万~25万円にとどまっており、回復基調が読み取れる。1台当たりの平均販売価格も年々下落しているが、それ以上に原価を下げ、販売価格との差額(収益)を回復させているわけだ。

 もちろん、そうした取り組みは原価率にも示される。自動車部門等の粗利益率は、「82.3%→91.0%→90.0%→89.6%→90.0%→86.1%」という推移。金融部門を含めたグループ全体のそれは、「77.7%→85.0%→84.2%→84.1%→84.9%→81.6%」であり、自動車部門の原価率はまだまだ高い水準にとどまるが、それでも原価率を着実に下げてきたことは明白である。

 では、他社はどうだろうか。(次ページへ続く)


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