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東電、ナゾの「13年度黒字決算」の理由を探る 「原発停止で経営圧迫」は本当か

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 東京電力(9501)が発表した「13年度黒字決算」に、「?」と反応した投資家も少なくなかったはず。福島第1原発事故直後の10年度と、事故から3年経った13年度の主要数値を見比べてみる。

東電の決算、売上高も当期純利益もアップのナゾ

 東京電力の至上命題は「赤字回避」。10年度以降、4期連続で当期純利益の赤字(当期純損失)を計上すれば、金融機関の融資姿勢がより厳しくなるのは必至だったからだ。そのため、なりふり構わず黒字にしたというのが実情だ。

 13年度の売上高は電気料金の値上げもあり、期末ギリギリになって原発事故を起こした10年度と比較すると25%アップ。一方、人件費の削減、修繕工事の繰延べなどコスト削減を進めたことで燃料費の負担増をカバーし、営業利益を確保した。

 13年度の人件費総額(単体ベース)は、10年度比で20%に迫るダウン。そのため10年度には761万円、管理職を含めれば809万円だった従業員平均年間給与は大幅にダウン。社内取締役の平均年俸も3888万円から1414万円(13年度は執行役の平均)と、半減どころか3分の1に迫る減額である。

 修繕費は火力や原子力など電源関係と送変電など流通部門に分かれるが、両部門とも必要な修繕を絞り込んだようで総額は4割に近い削減だ。

 また、不動産や有価証券、関係会社株式など保有する資産を切り売りするなどして特別利益を確保し、営業利益を上回る当期純利益を計上。以上が東電の13年度決算の大まかな概要である。

「見積もりができない部分は計上しない」で赤字回避

 ただし、東電の決算を真に受ける投資家は少ないはず。廃炉など原発事故の最終的な収束に向けての費用が膨大で、現状の東電が資金手当を容易にできるとは想像できないからである。

 事実、放射性廃棄物の処理や除染などが進められているが、その費用負担について、「現時点で合理的に見積もりができない部分については引当金を計上していない」と明示。つまり、将来発生する費用に対する備えである引当金を圧縮したことで、赤字を回避したとも見て取れるのだ。


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