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新設法人が4年連続で増加も
大学発ベンチャーの創業5年未満の黒字は45.9%

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2014/08/23 20:00

 この数年、新設法人が増え続けている。そんな中、期待を集める大学発ベンチャー企業にとっても創業間もない時期の収益確保は難しいようだ。

 消費税増税の影響で景気回復に一服感が見られるものの、公共事業拡大や東京オリンピックなどを背景に追い風が吹く産業を中心に新設法人が増えている。

 東京商工リサーチが8月8日に発表した「全国新設法人動向」の調査結果によると、同社の企業データベース(対象382万社)から、2013年の1年間に新しく設立された法人データを抽出したところ、その数は前年比5.8%増の11万74社で、4年連続で増加した。

 新設法人を産業別に見ると、増加率のトップは不動産業の16.8%増で、以下、金融・保険業の16.6%増、建設業の8.4%増、小売業の7.3%増、サービス業他の5.6%増、農・林・漁・鉱業の5.6%増、情報通信業の2.8%増、運輸業の2.1%増と続いた。アベノミクスによる景気回復期待や株高など、資金運用環境が改善していることから、不動産業や金融・保険業の増加が著しかった。また、建設業には、公共事業拡大や東京オリンピック開催が追い風となっている様子がうかがえた。

 前年より減少したのは、卸売業と製造業の2産業のみだった。減少率を見ると、卸売業が9.4%減、製造業が1.2%減。卸売業についてはインターネット取引などの直販拡大が、製造業については円高が大きく影響しているようだ。

 一方、大学発ベンチャー企業にも期待が集まっている。大学発ベンチャーは平成13年5月の平沼プランにより、3年間で1,000社つくり出すという数値目標が設定され、促進策が進められてきた。経済産業省のその後の調査によると、その数は平成16年度末で1,112社に達し、現在もなお増え続けている。

 ただ、その経営はすべてが順調ではないようだ。

 帝国データバンクが8月8日に発表したレポートによると、同社のデータベースより抽出した大学発ベンチャー企業600社のうち、2013年(2013年1月期~12月期)の損益状況が判明している316社について分析したところ、黒字企業は60.4%で、39.6%が赤字だった。

 損益状況を業暦別に見ると、創業20年以上の企業では黒字が87.5%に達するなど好調であるものの、15年以上20年未満では黒字企業が65.2%、10年以上15年未満では63.0%、5年以上10年未満では57.1%と減少し、創業から5年未満の企業では黒字が45.9%にとどまった。創業時には研究先行による費用負担が大きく、事業が軌道に乗るためには時間が必要であることが分かる。

 日本が活力を取り戻すには、既存の法人だけでなく新設法人の成長が欠かせない。より多くの企業が事業を継続し、拡大していくことを期待したい。

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